プロモーション

私がマネジメントしているH!dE(ヒデ)のベストアルバム『うたものがたりコレクション』が発売されて、10日以上が過ぎました。

 

wakita.hateblo.jp

 

前回の記事で、制作の事などについて書いたので、今日はプロモーションについて書きます。

私は、音楽ビジネス/アーティスト・マネジメントの「3つの現場」として、

・音源制作

・ライブ

・宣伝

を挙げています。

 

すなわち「いい曲を作り、いい演奏をし、それを広める」です。

シンプル・イズ・ベスト、基本はこれだと思っています。

これによって、アーティストが「ブレイク」、曲が「ヒット」すると、

色んなモノが売れる(4つの商材:音源、チケット、グッズ、FC)


、、、もしかして、あたり前のこと書いてます?(笑)

 

 

今日のテーマは「宣伝」

今回、レコード会社の方で宣伝動いて下さり、TV、ラジオ、雑誌、ネットでのインタビューなどで露出いただきました。

 

その中で一つ、印象深いインタビューがありましたので書いておこうと思います。どのインタビューも、さすがプロと思わせる、音楽の良さを文章で伝える事において誠実な姿勢を感じられて、アーティストも大きな刺激をもらえるなと感心したのですが、こちらのブログを読んでくださる方に伝えたいと思ったのは、以下のインタビューでの一コマです。

utaten.com

 

このインタビューの中での以下の部分、、

「負けんな!」という、H!dE得意の応援ソングについての箇所

 

──ご自身が挫折した事にとって、これを頑張れたらこうなったみたいな所はありますか?

H!dE:『負けんな!』のAメロとかには自分のストーリーを頑張っているみんなと重ねて書いている所があるんですが、どんだけ頑張っても結果が出ない事って誰しもあると思うんです。今でも周りを気にしてしまったり負けそうになったりもしましたが、その時にそれで諦めるかどうかは自分次第。僕は夢が叶わなくても、諦めない選択をしてほしいなって思ったりもしていて。頑張らないといけないって訳ではないですけど、自分らしく一歩ずつ進んでいってほしいと思って書いたんです。叶わなくてもその時に後悔しないっていう選択が大事だと思うし、前を見ていた方が絶対にプラスにはなるはずです。みんなにはそっちの方に進んでいって欲しいです。

──元々ポジティブな性格なんですか?

H!dE:いや元々凄いネガティブです。ちょっと笑い声が聞こえたら自分が笑われてる?って思うぐらい(笑)でも負けず嫌いっていう矛盾があったんですけど、無理やり前向きに前向きにというのは言い続けてきましたね。自分が嫌いな時もありましたけど、そういった経験を踏まえた僕だからこそ書ける曲が、この楽曲に反映されていたら嬉しいです。実は僕も専門のスクールに入るまでに、2年近くかかったんですよ。やりたいなって思っているだけで、何も動けないという経験もあったので、同じような想いを抱えている方に少しでも早く進んでもらえたらなと思います。

 

 

この「負けんな」についてのやり取りは、非常に深いメッセージが隠されてると思います。

現場にいた自分は鮮明に覚えているのですが、、完成したインタビューには載っていない、インタビュアーさんとのやり取りがありました。

 

それは、「頑張らなくていいという考え方もありますよね?それについてはどう思いますか?」といった質問だったと思います。

「頑張る事」「負けない事」「前に進むこと」こういったポジティブさが、ストレートに肯定できないという意見を持った人についてどう思うか、、という現代的な問いです。

鋭い問いですね。

傷ついたり、上手くいかない事があるし、「頑張り」に自分が潰されてしまう事もある、、

H!dEは「夢が叶わなくても、諦めない選択をしてほしいなって思ったりもしていて。頑張らないといけないって訳ではないですけど、自分らしく一歩ずつ進んでいってほしいと思って書いたんです。」と答えています。

 

ここで、いつも笑顔でポジティブなH!dEから意外な話が聞かれます。

実は、周りの笑い声を聞いて自分が笑われてると感じたりする超ネガティブだった事、今も常に負けそうな自分を抱えている事、

音楽を発信する側に立ちたいと思って、2年も動けなかった事、、

周りと自分を比べ落ち込む、そんな自分を嫌う、、

そういった、エピソードが語られました。

 

自分は横で立ち会っていて、このアーティストの本質に迫った質問だな、と思いました。この人が、こういった歌を歌う真の理由、「アーティスト」という立派な名称の役割で人前に立つ資格とは、こういう心の奥から歌う理由と意味を持っている事だと思いました。

そして、宣伝とは、そんな本質を、文章や映像、画像などで伝えるものだと思います。

 

今後も続く、楽曲制作、ライブ、そして、宣伝、、このアーティストに関わる中で、この日のインタビューで語られた事は、ずっと常に私の頭にあると思います。そして、本人や関係スタッフと、この事について真に話す機会があればと願います。

 


レコーディングで、ライブで、宣伝で、あらゆる現場で出会う人とのやり取りが、次の作品を、パフォーマンスを、発信へと繋がれていく。「プロモーション」というタイトルで、YouTubeSNSサブスクリプションなどに一切触れずに、活字メディアについての話になりました。自分の中では、デジタル時代のプロモーションを考える上で、伝統から学ぶところ大きいと思ってる自分との出会いを感じます。とにかく、一つ一つの現場の一瞬一瞬に起こる出来事を、味わっていきたいものです。


<PinkyRingの5年後を描いたプロポーズソング>H!dE「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」

 

 

 

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

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