デジタルテクノロジーの進化によって、人類は新しい時代を迎えようとしている。
パソコン、インターネット、スマホ、SNSとこの20年ぐらいで起こった技術革新は、私達の生活を変えた。
そして、これからの10年、20年、AIやバイオテクノロジー、宇宙開発など、もっともっと大きな変化に出会うのだろう。
そんな中、音楽も変化を迎える事は避けられない。
そんな変化、進化を前向きに受け止めていきたい。
参加する事でよりよい未来を自分の選択で選びたいと思う。
9月の終わりに六本木ヒルズにて開催された、J-WAVEと筑波大学による音楽とテクノロジーのフェス「INNOVATION WORLD FESTA 2019」に、昨年に続き参加した。
ものすごい豪華メンツに交じり、ヒルズカフェでの「AI Tommy Special Showcase by TECHS」、テクノロジー体験ブースでのTECHSブース出展、メインステージでのEXILE SHOKICHIライブに香り演出を紹介するなど、この素晴らしいイベントに2日間どっぷり浸かりました。
AI Tommy Special Showcase by TECHS
AI Tommy「INNOVATION WORLD 2019」
AI Tommyは、J-WAVEの番組「INNNOVATION WORLD」のアシスタントMCとしてお馴染みのAI。IBM WatsonというAIをベースにしたキャラクター。昨年のイノフェスでアーティストとしてライブデビュー。AIによる作詞をもとに楽曲を制作している。
Tommyのライブは、以下のバンドメンバーで、AIと人間の協業でライブを作り上げた。
浅田祐介 Key,PC
Reach PC,OP-Z
ELLEY Cho
KEIKI FUKUSHIMA Visual
木村学(アユート)モーションキャプチャー
宮本(Native Instruments)OP-Zテクニカル
Tommyのライブは、リードヴォーカルをTommyが担当し、一緒にグルーヴを生み出す「バンド」だと思っている。機械と人間が一緒に演奏する事で、生身の人間が行う演奏が際立つ気がする。
AI TommyではPERCEPTION NEURONというモーションキャプチャーをステージ上で使用し、バレエ・ヴォカールグループPOINTの風間美玖の動きを捉えることでTommyの動きを作り出している。
右腕についてるのが、PERCEPTION NEURON 、この写真では見えにくいですが全身についてます。
TECHSブース
今回ブースでは、「楽器」の進化をテーマに展示した。
ARやVRなど映像の進化は目覚ましいが、音楽の進化は、まさに目に見えないものである。進化は、サブスクのような音楽を伝える分野で話題になる、しかし、音楽を創る、演奏する事においても進化は訪れている。
以下に、楽器の進化をブースで体感してもらうかを工夫してブース展示を行い、多くの人が訪れ楽しんでもらえたと思う。
ROLI Seabordによる既存の楽器が出せなかったニュアンスを使った歌唱や伴奏を行う。映画『ラ・ラ・ランド』でも使用された新しい楽器だ。
https://www.minet.jp/brand/roli/top/
薮井健一氏によるSeabord実演も行われた。
AI Tommyのライブでも使用した「OP-Z」
おもちゃのようなコンパクトなボディから、音楽と楽器を同時に操作する、新しい発想の楽器だ。
EXILE SHOKICHI史上初、全曲違った香りで演出されたライブ
今回TECHSからJ-WAVEに提案させて頂いた、香り演出のライブ。
エンタテインメントにおいて、音(聴覚)、映像(視覚)についで、香り(嗅覚)に訴えるライブは、まさにイノベーションという呼び名にふさわしい未体験のライブとなった。音、歌詞、光と合わさり、新しい風景や感覚を呼び起こす「香り」。
エンタテインメントとしての「香り」は未開拓の分野であることを強く印象付けた。
トークセッションにも登壇
トークをご一緒した方がVtuber関係の方だったこともあり、話題はヴァーチャルへ。「Vtuberをやってみたい!」とヒルズに響き渡らせた。有言実行したい。
イノフェスは、多くの文化人、ミュージシャン、テクノロジー分野の方が一堂に集まり、沢山の情報とエネルギーを受け取れる貴重な場となっている。来年も是非、参加したいと思っている。
TECHS.2019 in TIMM
音楽とテクノロジーが出会い、新しい表現を生み出す場として運営している「TECHS」、ミュージシャンズ・ハッカソンから生まれたライブイベント。
昨年より東京国際ミュージック・マーケットとコラボレーションし、期間中に渋谷で多くのミュージシャンとクリエイターが参加したイベントを行っている。
10月29日(火)に渋谷のDESEOとDESEO mini with VILLAGE VANGUARDにて行う。
積極的に挑戦する素晴らしいアーティストに恵まれ、今年も面白いイベントになりそうだと思う。
AIが意志を持ち、人間を支配する。
人類が宇宙へ進出し、欲望を拡大し続ける。
ゲノム編集によって、金持ちだけが永遠の命を手に入れる。
自動作曲によって、ミュージシャンは必要とされなくなる。。
「進化」を巡るネガティブな説は後を絶たない。
しかし、未来を決めるのは技術ではなく、人間の選択だと思う。
テクノロジーを使って、ドキドキワクワクする、心揺さぶる音楽や、ライブを生みだそう。そんな気持ちで取り組む、実験の場に是非、足を運んでほしいと心から思う。
お待ちしております。
TECHS.2019 in TIMM詳細はこちら
脇田敬
https://www.facebook.com/takashi.wakita
著書『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』
ニューミドルマン・コミュニティ