世界が”#君の虜に”~「summertime」はTikTok、Spotify、YouTubeでグローバル・ヒット

 2020年、音楽シーンを語る時に避けて通れないトピックとなったTikTok
「ドルチェ&ガッバーナ」(香水)、「きゅんです」、「ぴえん」、「マイラ」、、全世界で数々の音楽ヒットを生むTikTokは、日本でも沢山のヒットとブレイクをもたらしました。


そんなTikTokヒットの中でも、TikTok流行語大賞ミュージック部門賞を獲得した曲「summertime」は、2020年音楽ビジネス屈指の注目曲、現象だと強く言いたいです。
 


cinnamons × evening cinema - summertime (Official Music Video)

 

TikTokでは、日本のみならず世界でバズを起こし、2020年7月には、東南アジアでのTikTok使用楽曲1位となっています。 

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cinnamons

 

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evening cinema

 

頭サビからの、キュートな女性ヴォーカル、ソフトなシティポップサウンドが魅力がいっぱい詰まったポップソングですが、他のTikTok曲とは違い、バンド形態での2アーティストによる楽曲です。

 

TikTok流行語2020大賞、「#きゅんです」に決定!年に一度のTikTokクリエイターの祭典「TikTok CREATOR'S LAB. 2020 -REFLECTIONS-」開催レポート|Bytedance株式会社のプレスリリース

 

TikTokだけじゃない!
Spotifyでも、拡散し続ける「summertime」

この「summertime」は、Spotifyの、世界で聴かれた日本の曲で7位にランクインしています。(トップ10内「summertime」以外は全てアニメタイアップ。)

 

 

しかも、日本語で歌われるポップソングです。
これは快挙と言っていいでしょう。そして、坂本九の「スキヤキ」(「上を向いて歩こう」)のように、いろんな国で日本語でカバーもされています。

東南アジアのバズから→日本で再燃し、現在、インドやアメリカでも数値が上昇。発売から3年以上が経ち、今も”#君の虜に”現象は拡大し続けています。

 

(告知)12月26日に、このcinnamonsとevening cinemaが所属するグリッジ株式会社の代表籔井健一さんと取締役柚木想子さんをお迎えして、このヒットの秘密に迫ります。 ご興味のある方は是非ご参加ください!

musictechradar20201226.peatix.com

 

 

グローバル音楽シーンで、日本からヒット、ブレイクを生むことが大変だということは皆さんご存知でしょう。

サブスク解禁の波が数年遅れで始まった2019年、錚々たるアーティストが挑戦した”世界進出”が容易でなかったことは、今年初めごろ以下の記事で書きました。 

wakita.hateblo.jp

 

もう、国内と外と分けて「世界進出」という言葉を使う事時代が時代とズレているのです。私たち音楽関係者は、この感覚を修正し、アーティストの持つグローバルな感性を開放していかなければならないと思います。

ちなみにアニメタイアップ曲がSpotifyで世界で聴かれる状況は、NetFlixAmazonなどで日本のアニメが世界で拡大しているからです。

 こちらは、Spotifyの、2018年海外で最も再生された日本のアーティスト・ランキング。
1. ONE OK ROCK
2. RADWIMPS
3. Nujabes
4. 坂本龍一
5. BABYMETAL

このランキングがアニメタイアップで占められるようになったのは2019年からです。
アニメも、楽曲もまず、手元で観たい時、聴きたい時に聴ける状態にすることが大前提なのです。サブスクの普及が現代音楽ビジネスの前提になっていることがわかります。

 

"#君の虜に"summertime現象はなぜ起きたのか?

さて、「summertime」が、最初からこのように全世界で聴かれる事を狙った曲ではありません。2017年にリリースされたこの曲は、親交のあったcinnnamonsとevening cinemaのコラボ曲であり、目的は2つのアーテイストのお互いの良さを引き出し合う事であったと思います。

そして、アーティストとパートナーシップを結び、この曲のグローバル・デジタル・マーケティングを粘り強く続けたグリッジの籔井さん、柚木さん。音楽とアートをグローバルにブリッジする(Global+Bridge=Gridge)お二人は音楽業界で仕事した経験はありません。日本の業界の内向きな発想に染まらず、日本の音楽やアートを世界と繋げる事業を行うベンチャー企業です。

なんとなくわかってきましたね。世界への壁は「言語」ではない。マインドです。

 

グリッジの二人が、どのようにアーティストとパートナーシップを結び、デジタルマーケティングを使って世界と繋げていったのか、多くの人に知ってもらうとともに、掘り下げていければと思います。このようなテーマに関心のある方は是非、一緒に考えましょう。

 

 

 

 再度告知です!

12月26日(土)20時より!

MusicTech Radar Vol.11

「#君の虜に~」アジア~日本:デジタル&グローバル時代のヒット誕生の物語 

ゲスト:グリッジ株式会社 代表取締役 籔井健一/取締役 柚木想子

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MusicTechを実践&研究するニューミドルマンコミュニティの月いちMeetUpイベントです。Sweet Soul Recordsの山内さん回、グラミーノミネート・ミュージシャンのstrRoさんに続く、「グローバル」3部作といった感じですね。

 

musictechradar20201226.peatix.com

 

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脇田敬

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