K-POP×ボカロ!YENA「STAR! ft.初音ミク」とAI生成、ヴァーチャルの時代

K-POPソロ女性シンガーのYENA(イェナ、元IZ*ONE)の最新シングル「STAR! feat.HATSUNE MIKU」の初音ミク関係の制作を担当しました。

前からやりたかったK-POP×ボカロ、ついに実現して嬉しいです。

リアルの人間とヴァーチャル・キャラクターの共演は、国際化とAI生成におけるキャラクター利用が当たり前の時代にふさわしい曲になったと思います。

日本の音楽のグローバル化やAI、ヴァーチャルなどの文脈でも参考になるところを見つけてもらえましたら嬉しく思います。

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K-POP×ボーカロイドリアルとヴァーチャル、日本と韓国

初となるK-POP×ボカロの共演。ジャンルを越えた共演となりました。リアルのK-POP「スター」であるYENAと、日本のヴァーチャルの「スター」である初音ミクのフィーチャリング共演。コンセプトや企画が時代を捉えていたとしても、誰が歌うのか、どんな曲なのか、どんなストーリーがあるのか、がなければ成功しません。YENAだから、ミクだから、成立したと言えます。

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■YENAのコンセプトにある「日韓」~『PRODUCE 48』から結成IZ*ONE出身

YENAは、K-POPソロアイドルとして、独自のポジションを確立しています。

かつて所属していたグループIZ*ONEは、日韓合同オーディション番組『PRODUCE 48』で結成されました。韓国M-net『PRODUCE 101』とAKBグループの秋元康氏が組んだ、今の日本で盛んなオーディション番組の先祖のような企画です。現材LE SSERAFIMで活躍する宮脇咲良とKIM CHAEWONも所属していたことも知られています。

この出自は、YENAのソロキャリアの中でもアイデンティティとして、しっかりブレずに表現されています。

1年前にリリースされ大きなバズ曲となった「NEMONEMO」も、グローバルなK-POPリスナーの評価は「J-POPテイスト」だとされており、ルックスや歌唱の個性を表す作風として、2次元テイスト、つまり、ボカロやヴァーチャルとの融合を求める声は存在してたことが、「STAR!」のリリースが発表された時の反響からも、伺えます。

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「本人は、本当に初音ミクが好きなのか?ボーカロイド文化を知っているのか?」

この問いもネット上でよく見られ、誰もが頭に浮かぶ疑問だと思います。答えはYESでした。イベントやライブ配信などで、本人の口から度々伝えられていますし、以下の最新インタビューでも語られています。

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また、11月にソウルで行われた『MIKU EXPO 2025』に参加した際、客席で、ガチ盛り上がりのYENAを自分の目で確認しましたので間違いありません。

 

mikuexpo.com

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ヴァーチャルの元祖としての初音ミクボーカロイドへのリスペクト

ピュアなファンとして、愛とリスペクトを表してくれていることに嬉しい気持ちを感じたと同時に、高度にプロフェッショナルなクリエイター、パフォーマーとしてのYENAや日本韓国のスタッフが、「ヴァーチャルの元祖」としての初音ミクをリスペクトし、ボーカロイドの現代的な意味を追求している事が伺えます。

初音ミクは、ヴァーチャル・シンガーでもあり、同時に楽器(ボーカロイド)でもあります。ユーザー、リスナーとクリエイターの壁を壊した、ボーカロイドニコニコ動画といったカルチャーの象徴です。

このボーカロイド文化は、n次創作文化と言われ、誰もがクリエイターになれる時代を先取りしていました。初期のボカロブームにおいて、Livetune「Tell your world」がGoogleのCMに起用されたり、初音ミクLady Gagaのオープニングに抜擢されたりと、世界的に斬新でユニークなムーブメントとして評価されていたと言えます。

AI生成時代を予言していたと言えますし、時代が追いついてきた感があります。

このあたりの、文化的な評価は、柴那典さんが名著!『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』でされています。かなり前の本ですが、今も必読書です。

■J-POPのGO GROBALにおけるボーカロイド

2025年のJ-POPの大きなトピックとして、Adoの世界ツアーのニュースに注目が集まりました。スタジアムクラスの会場で、軒並みソールドアウトを記録し、J-POPの世界的な広がりを象徴するトピックとなっています。このツアーの成功について、TIMM(TOKYO INTERNATIONAL MUSIC MARKET)のカンファレンスでも関係者の話を聞くことが出来ました。

ちなみに、AdoはYENAの「STAR!」を自身のStoriesで紹介し、K-POPとボカロのコラボレーションを喜んでいます。

アメリカのショービジネスの中でも、世界のオーディエンスの間でも、ボーカロイド文化から生まれたリアルとヴァーチャルのクロスオーバーが、大変ユニークだと受け取られていると感じました。新しく、驚きをもって受け止められていると同時に、そのオリジンとしての歴史にも評価がされていると思います。

sp.universal-music.co.jp

 

■AI生成ツールの普及、世界的なヴァーチャル元年。PLAVE、Kpop Demon Hunters、AI生成楽曲のヒットなど。キャラクターが表現するリアリティ

日本に住む我々からすると、初音ミクボーカロイド・カルチャーはすでに、歴史を積み上げた日常の一部になっています。米津玄師やYOASOBI、Adoなどこのカルチャーから登場したトップアーティストが活躍することは、誰もが知るところです。また、Vtuberなども、当たり前の存在です。

しかし、海外で、人間ではない存在が歌ったり、キャラクターがライブしたりする文化は「ついに始まった!」という感覚です。

2025年は、韓国でPLAVEのようなヴァーチャルアイドルがヒット、アメリカではAIソングがチャートを席巻。またアニメ映画『Kpop Demon Hunters』の楽曲が世界的大ヒットを記録した。年間ランキングを見ると、日本でも世界でも新しいスターの登場や、今年の曲はこれといった曲はあまり見かけないです。2₋3年前にリリースされた曲や、ここ数年上位に君臨し続けるアーティストと、変化を感じない都市、新しい動きが見えにくい年だったと言えます。

しかし、年間ランキングに表れないですが、今年1年を通じて、私たちが常に話題にしてきたのは、「AI」と「ヴァーチャル」でした。

youtu.be

 

wakita.hateblo.jp

 

■2026年、AI生成の一般化、「Sora by OPEN AI」が開く次の時代

「音楽は生身の人間が行うもの」という固定概念の変化は、AIの進化と普及によって変わりつつある。

Soraは、AI生成で画像や動画を作成するだけではない。

■生成のクオリティではなく、技術を使ってどうつながるかという「コミュニケーション」へと一歩踏み出した。

■ゲームチェンジャーとなる「カメオ機能」・・・IP管理を一般化し、AI生成時代のコンテンツ産業のひな型を実現した。

を備えた。

そして、今月エンタメビジネスに大きなインパクトを与えたのが以下のニュースだ。

 


www.youtube.com

sora.chatgpt.com

★デイズニーが公式キャラクターをライセンス、エンタメのメインステージへ接近

Sora by OPEN AIの凄さは、AI生成ツールの進化の方向を変え次の次元へと持ち上げました。

そして、今月、このSoraやChatGPTとコンテンツの最大手ディズニーが提携を結びました。ディズニーの持つキャラクターがSoraで生成に使用できることになり、ディズニーはOPEN AIに出資を決定しました。今後、多くのIPを持つ企業がOPEN AIとライセンス契約を結ぶでしょうし、その他のAIプラットフォームもこの流れを追う事になります。

AIは「危険」「人間の敵」「違法」というイメージを払しょくし、日常的に使用され、コミュニケートし、シェアし合う、TikTokの次のポジションを担う次世代ソーシャルの扉を開いたのではないでしょうか。

news.yahoo.co.jp

 

■AIが「普通」となった時代のSNSトレンド

マーケティング視点で、SNSトレンドについて考えると、近年の音楽ビジネスにおいて新しいヒットの起点となる体験を提供してきたのはTikTokです。さらに言うとTikTok的なショート動画(Shorts、Reels、Canvas)です。

しかし、TikTokが音楽ビジネスに大きなインパクトを与えた年が2019年のLil Nas X「Old Town Road」だとしたら、約6年。盛り上げりを見せたのが2016-2017年ごろと考えると約8年。変化の速いSNSの世界では、この年数は結構長い。世界の音楽ビジネス・シーンでの、近年の急激な市場拡大の原動力は、このショート動画とSpotifyApple Music、YouTubeのフル尺リスニングの連携です。
しかし、5-8年という長期にわたって、新しいツールでの体験が出てこない状況にあります。数年前、TikTokを触っていて気づいたら2時間ぐらい過ぎていた、、といった体験をしたと思います。今、TikTokはそのようなアツいツールというよりは、もっと身近な標準ツールではないでしょうか。

現在の最も中毒性を与えるデジタル・ツールはChatGPTだと言えます。今、ChatGPTやGeminiなど、AI Chatbotツールは、私たちの生活に大きな影響を与えています。

この先、ディズニーキャラクターを公式で使用できるSoraを、人々はどのように楽しむのでしょうか。ディズニー以外のキャラクターも、どんどん続いて参戦するでしょう。2026年ガラッと変わった風景が現れるに違いありません。

 

そんな2025年に生きている私たちにとって、ボーカロイド、そして初音ミクは、過去、現在、未来を繋ぐ存在なのでしょう。

「STAR!」では、初音ミクの歌パート、イラスト、動画のモーションなど制作と調整など担当させて頂きました。ジャンルと国の違う両者の間に入って、国を越え、ジャンルを越え、お仕事ご一緒出来たことは今後の自分の仕事にも大きく役立つ経験になると思います。

 

※1/18に、Entertech University&LAB「Music Biz 新年会」というイベントを行います。このテーマでもお話したいと思っております。詳細やイベントページなど出来次第アップします。

 

脇田敬

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1/30-2/1開催 Music Lane Festival Okinawa 2026

カンファレンスにも登壇します。
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AIシンガーLabel&Media「GEMVOX」

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音楽マーケティング・ブートキャンプ 第6期(次回開催は2026年春予定)

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