Zepp Divercity Tokyoで行われた、一夜限りのライブハウス上映、伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスのドキュメンタリー映画『ジミ・ヘンドリックス』を観てきました。
http://www.110107.com/s/oto/diary/movie/list?ima=5951
家庭では、絶対に味わえない、ZeppのライヴPAシステムをフルに駆使し、Zeppのライヴ空間をフル活用。
とのことで、定期的に行われている企画。
今回は名作アルバム『Electric Ladyland』の発売50周年を記念して、東京、大阪一夜限りのスペシャル上映だそうです。
先日ブログに書いた『アリー/スター誕生』、『ボヘミアン・ラプソディ』と、Dolby Atmos上映が続きましたが、映画館の立体音響において音楽がどのように聞こえるか、非常に興味深い体験でした。
今回は、ライブ・ドキュメンタリーを本物のライブ設備で上映という、こちらも非常に興味をそそられ、お台場まで駆けつけました。
ジミ・ヘンドリックスについては、一通りの作品は聴いてますが、深い理解があるわけでもなく、この期に大音量で、ジミ・ヘンドリックスの凄さを体験して、理解したいなという思いもありました。
さて、その、最響上映、、、すごかった。。。
音デカイ、
かたまりのような音圧、あれはまさにライブの音ですね。
鼓膜を直撃するドラム、深く分厚いベースにやられました。
そこに乗って叫びまくるジミヘンのギター。
ビビりました。
これは、映画とは違う音の作り。
映画はレンジが広く、爆発音から繊細なささやきまで隅々に、きれいな音を目指す音。ライブは、前に音の塊とうねりをぶつける。
設備の違いもあるが、ミックスであり、PAの違いだと思う。
このZeppのイベントは、ただライブハウスで映画を流すだけではなく、
音響が肝になっており、当然、ライブPAがいて迫力のある音を作る。
ライブ同様、客が入って音の鳴りが変われば調整もするだろう。
お客の想いや、会場の空気で違ってくる生き物のようなライブを作ろうとしていると思う。
Dolby Atmos上映や、爆音上映と呼ばれるものとは近いが違う、常にライブを行っているハコが「音楽」や「ロック」で新しいエンタテイメントを目指して上映しているところが、このイベントの意義なんだと思う。
この日の上映は、そんな思いを持った主催者、Zepp、そこに集まった人たちのケミストリーによって、ジミ・ヘンドリックスを体感できた(ように思えた)イベントでした。
ちょっとジャンルが離れすぎますが、日本のアーティストGReeeeNを御存じですか?
メンバーが歯科医で、ツアーが行えないので、モーションキャプチャー映像を使ったショーを毎年行い、非常に盛り上がっています。
私も何度か参加しましたが、ライブを感じさせる、ライブを考えさせられる表現となっております。
そのGReeeeNを観て思ったのも、音の重要さです。
映像や演出もですが、音で何を伝えるかを追求していたと思います。
私が渋谷のクラブ/ライブハウスで仕事していた時期に感じた事ですが、ダンスミュージック系の打ち込み音、DJがプレイする音源、生楽器や生声によるバンド演奏、どれも違いますよね。
ダンスミュージック系で、DJ活動を行うアーティストが「ライブセット」を行いますが、その機会にしか出せない音を出し、空間を作り上げるという意味で「ライブ」なんだろうと思います。(それだけではありませんが)
「ライブ」については、考え方人それぞれですが、私は、いろんなスタイルを「ライブ」として楽しんじゃうタイプです。
なので、このZeppでの最響上映、とても合点がいきました。
ちなみに、『アリー/スター誕生』のAtmos上映の空間と演奏場面の音響の迫力(かたまり感)は衝撃的でした。
話題の『ボヘミアン・ラプソディ』のAtmos上映では、ライブ・エイドのシーンは、スタジアム空間を残響で作っており、ライブ演奏感よりそちらを重視したような印象でした。
さて、ジミ・ヘンドリックスについて
恥ずかしながら今回の上映で大変勉強になりました。
1970年に亡くなった彼をトリビュート下1973年の映画ですが、彼の音楽と人がいかに愛されていたのか伺えます。
エリック・クラプトンやミック・ジャガー、リトル・リチャードなどのアーティストから、家族、恋人など彼の身近にいた人々、これらがコメント出演します。このコメント映像のトーンが明るく、ほほえましい。悲壮感がない。
この上映は『Electric Ladyland』50周年を記念デラックス盤発売に合わせて実施されたものです。
主催者は、数あるジミ・ヘンドリックスの映像がある中で、なぜ、このドキュメンタリー映画が選んだのか。
私が勝手にそう思ってるだけかもしれませんが、この明るい空気のコメントに挟んで、ライブ演奏をライブ大音響で体感するのが、伝説や神格化されてない、生身の、ライブな”ジミ”が感じられるとおもったのではないでしょうか。
逆に言えば、後の時代に作られた作品には、このリラックスした感じではない要素がはいってしまうのではないか、と。
私も、今回の上映を機に、フレッシュな耳でジミ・ヘンドリックスが遺した曲や演奏を楽しんでいきたいと思います。