【CD発売日】

本日は、マネジメント&制作しているシンガーソングライターH!dE(ヒデ)のアルバム『うたものがたりコレクション』の発売日。

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H!dE「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」Short ver.



H!dEは、こんなアーティストです。

H!dE ヒデ

岡山県倉敷市出身。
映画、ドラマ、小説のような「ものがたり」を優しい声、耳に残るメロディー、飾らない真摯な言葉で紡ぎ、嘘のない「うたものがたり」と呼ぶラブソングとして届け続ける注目のシンガーソングライター。
渋谷で路上ライブを行うミュージシャンたちの姿に刺激を受け、自らも歌う事を決意。音楽活動をスタートさせ、路上ライブやYouTubeで自作曲を発表。
世界的に活躍するイラストアートクリエイターのMineとの出会いにより制作したMV「Pinky Ring」がYouTubeにアップすると再生回数が急増。以後、この「うたものがたり」シリーズのMVは2,000万回以上の再生回数を記録するなど注目を集めた。
これまでに2枚のミニアルバムと16曲のデジタルシングルをリリース。ミニアルバム「うたものがたり2」はオリコンTOP30入りを記録。
ライブ活動も精力的に行い、2017 年は自己最大規模の全国11 箇所ワンマンツアーを成功させた。
シングル「1日遅れのバレンタイン feat. erica」はLINE MUSICリアルタイム1位、デイリー5位を記録した。

2018年初のベストアルバム『うたものがたりコレクション』を5月9日徳間ジャパン・コミュニケーションズより発売決定。
アルバム発売に伴う、全国4カ所のツアーを7月より行う。

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出会ったのは、約1年弱ぐらい前、元担当アーティストからの紹介。後輩アーティストが自分で全て活動を行っているので、力になってほしい、と。仲間の未来を考えて、自分なら、と指名してもらった以上全力でやるしかないですよね。

H!dEは、すでにYouTubeで2000万回以上再生され、全国10か所以上のワンマンツアーを行える規模にいる知る人ぞ知るアーティストです。
イラストビデオと歌詞のものがたりの動画は完成されたスタイルで、沢山の人の心を掴んでいるし、充分成功していると思いましたが、もっと広く多くの人に歌を聴いてほしいという本人の希望を聞いた時、それなら役に立てるんじゃないかと思いました。


H!dEベストアルバム『うたものがたりコレクション』トレイラー


ネットとライブ、まさに今の時代のメインフィールドとされている現場です。ここで成立している作品と、ファンとの関係、、。ここにある本質を見極めて、メジャーフィールドにどうシフトさせていくか。。
ミーティングを重ね、活動サポートから、マネジメント体制へと移行していきつつ、ライブ、楽曲、見せ方、本人とディスカッションを重ねていきながら、アーティスト、H!dEのトータルな中身を進化させる事に二人三脚で取り組みました。

 

昨年の秋、いよいよベスト・アルバム・プロジェクトが始動。

年末、年始のツアー、オフィシャルサイトのリニューアル。
配信シングル「1日遅れのバレンタイン feat.erica」配信リリース
EP「うたものがたり3」の配信

そして、2018年2月24日白金高輪SELENE b2で行ったツアーファイナル/バースデイ・ライブにて、いよいよ『うたものがたりコレクション』の発売を発表。。
この発表をどう行うかについて、ずっと話し合いました。。何か月も前から。

昨年末から、ライブの場で重大発表を行ってきたのですが、リアルタイムで会場にいた方、その日のネットで見た人、アルバムが出た今日、あの瞬間を思い出してもらえると作り手冥利に尽きます。

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H!dEの魅力とは何か、拙著『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』にも書きましたが、私はアーティストの魅力を「音楽性」「パーソナル」「数字」「コンセプト」の4つで考えます。


H!dEの要素

・音楽性
R&B/J-POPベース
ストーリー性のあるラブソング歌詞
言葉の響きを大事にした美しい王道メロディ
独特の声質、歌いまわし

・パーソナル
このジャンルに珍しい泥くさくない、さわやかな見た目
裏表のない誠実で優しい人柄(ミュージシャンらしくない?)

・数字
YouTubeで2000万回再生
精力的なライブツアー(11か所の全国ツアー)

・コンセプト
うたものがたり
大切な人に紹介したいシンガー

こういった4要素、さらにその中にあるディテールをどのように組み合わせて、アーティストの素養とマッチしたアーティスト性を作り上げていくか、それをいかに音源、ライブ、画像、映像、文章など作品化していくか。

H!dE=イラストMV=ものがたりのイメージを、一段高い次元でリアルな人物像として成立させるか。そのコンセプトやスタイルは、時代に求められているか。競合アーティストと明確な違いはあるか。それをそのアーティストがやる理由はあるのか。
この追求こそがマネジメントであると思います。



今の時代にメジャーとは何か?音楽ビジネスとは何か?

発売販売元が徳間ジャパン・コミュニケーションズに決まり、そこから、また担当さんとアルバム内容をディスカッションすることになりました。
担当は旧知のT中さん。優しい人柄、仕事ぶり、H!dEプロジェクトにとって最高の人材だと思いました。この人なら、H!dEの音楽を届けることが出来る。「いい人」には「いい人」(笑)
音楽スタッフにも、音楽性、パーソナル、数字、コンセプトの4要素は近くあてはまるものがあります。関わる「人」がアーティストの魅力と才能を輝かせる大事な要素。
いい作品、いいライブを、いいチームで作る。。

昔のようにメジャーデビューする事が成功への一本道ではないですが、経験を積んだプロの力は音楽を届ける上で重要な役割を持ちます。どんなに大きな会社でも、どんな大きな媒体でも、どんな優秀な人であっても、プロジェクトとの相性や組み合わせは重要な影響があると思います。

今回のアルバムのジャケットでの「顔出し」に象徴される、H!dEそのものを前に出す打ち出しは、徳間ジャパンさん、多くのクリエイティブ・スタッフのセンス、ノウハウ、技術によって完成しています。

1枚の写真でアーティストの音楽性、人間性、コンセプトを伝える。伝わっていたら幸いです。

楽曲
新しいH!dEを伝える為に、音楽面でも挑戦し続けています。
リード曲「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」は、数多くのアーティストを手掛けてきたプロデューサー、浅田祐介とともに制作した、H!dEのこれからに取り組んだ1曲です。


H!dE「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」Short ver.


代表曲であり、原点である「Pinky Ring」の世界観を、再構築し、アーティスト性をどう伝えるかに取り組んでいます。人と人が愛し生きていくこと、優しさや思いやり、H!dEの音楽と人間の要素が詰まっています。

作曲、レコーディング、ミックス、マスタリング、、
この曲を核に、アルバムの全ての過程において、H!dEの魅力をどう伝えるか、多くの人がセンス、技術、ノウハウをもって、取り組み、本人H!dEも最大限以上の力で取り組んだ作品です。

 

 

 

H!dEのインタビューなどはこちらにまとまっています。

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※※※


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
まだまだ語りつくせない、H!dE『うたものがたりコレクション』ですが、今日はこのあたりで。

発売日以降、インストアライブツアー、7月にはリリースツアーも決定。
沢山のメディアにも取り上げて頂きました。(徳間宣伝チームの皆さんに感謝)
ヴィレヴァンさんとのコラボグッズの発売、、などなど
沢山の取り組みを行います。

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この記事は、作品を広めたい事はもちろん、音楽ビジネスを志す方、興味のある方に現場を知ってもらいたいと思い書きました。海外では音楽スタッフのインタビューが沢山載っていて、それを読んだ新しい人材が活躍しています。
日本の音楽をもっともっと活性化するために、生の言葉をオンラインに残していく事も取り組んでいきたいと思います。

この記事を書くことに快く了解してくれたH!dEに感謝です。


ティーンスターから”アーティスト”へ、アリアナ・グランデの新曲について

アリアナ・グランデの新曲を聴いています。


まさに、”かわいい”ティーン・セレブ・スターから、世界にメッセージを発信する”アーティスト”アリアナ・グランデの誕生を感じさせる力作です。
このティーンスターからアーティストへのシフトチェンジというのは相当大変な事なのです。

彼女の転機になったのは、昨年のマンチェスターでのライブ会場での爆破テロ、そして、その2週間後、驚異的なスピードで実現、成功させたチャリティ・ライブ・プロジェクト「ONE LOVE MANCHESTER」でしょう。

 


昨年の終わりに、山口哲一さんのブログで、2017年の音楽ビジネス重大ニュースにも入れたのですが、

yamabug.blogspot.jp

昨年5月に、イギリス・マンチェスターでのアリアナのコンサート会場で起こった爆破テロ。コンサート会場でのテロというのは、非常にショックですが、アリアナの客層を考えるとそのインパクトは図り知れません。
十代前半の女性客が無邪気にライブに行って、被害に遭う恐ろしさ。。

 

アリアナとマネージャーのスクーター・ブラウンというマネージャーは、この事件から、2週間後に「ONE LOVE MANCHESTER」という、チャリティ・ライブを実現してしまうわけです。

世界のトップクラスのアーティストを集めて、スタジアムライブを行い、被害者やテロ当日の客を招待し、ネットメディア、既存メディアを使って全世界に発信し、寄付を行う。

テロ直後の厳戒下で、スタジアムライブを行うのはよっぽどの力がないと実現しないですよね。あまりにもリスクが大きい。

このスクーター・ブラウンは、ジャスティン・ビーバーのマネージャーとして、PSYの「江南スタイル」をアメリカのマスメディアでの仕掛人として知られる音楽ビジネスマンですが、彼にとっても一世一代のアクションだったと思います。

担当アーティストの転機に、訪れたターニングポイントで何をすべきか?
時代とシンクロし、アートやエンタテインメント人として、何をすべきか?

ここで、勝負しなければ!と、とてつもないエネルギーが湧きあがった事でしょう。
マネジメントの最大の醍醐味だと思います。


ジャスティン・ビーバーが大人のアーティストに脱皮する過程もまた書きたいです。Diplo,Sklirexx「Where are you now」から「What do you mean」)

「ONE LOVE MANCHESTER」は、まさに音楽ビジネスにおいての重大ニュースでした。


そんな「ONE LOVE MANCHESTER」の一連の動きに相当のインパクトを受けた私は、絶妙のタイミングで来日したアリアナを観に、『デンジャラス・ウーマン』ジャパン・ツアーを観に、はるばる幕張まで行ったのでした。

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アルバム『デンジャラス・ウーマン』は、ティーンスターとしてブレイクしたアリアナが実力派アーティストに脱皮しようとトライを繰り返している内容。

 

本来のビジュアルは、↓こちら。↑は日本版のビジュアル

open.spotify.com


タイトル、ビジュアル、曲調ずべて、彼女を大人のエンタテイナーへと脱皮させる意図で作られています。なんせ「デンジャラス・ウーマン(危険な女)」ですから。

www.creativeman.co.jp


めちゃめちゃ期待しました。時代とシンクロしたアーティストの誕生の瞬間に立ち会えるのでは、と。が、実際の内容はかっちり作られたショーでした。
ツアーセットに内容は「大人のアリアナ」をアピール内容、というより「かわいいアリアナ」を拒否する内容といった感じで、日本人のアリアナ女子たちや若いパリピたちにとって、盛り上がりにくい内容で、少しかわいそうでした。
もちろん内容は、歌も演奏も素晴らしいショーでした。

この公演で私が観たかったのは、「ONE LOVE MANCHESTER」を経て、いかに、アリアナが、ティーンスターから”真のアーティスト”へと変貌を遂げているか、でしたが、契約した多くのスタッフが関わる大規模のツアーですから、『ONE LOVE MANCHESTER』の影響は具体的な演出やセット、MCなどから感じられませんでした。

その後、映画『美女と野獣』の主題歌を歌ったり、もありつつ。

遂に、新曲登場!

『ONE LOVE MANCHESTER』以降の、世界的なアーティストとしての新しい表現の本格的なスタートは、今回の「No tears left to cry」からがスタートなのでしょう。

この曲も、この後続く作品も、

音源、歌詞、歌唱、ジャケットビジュアル、MV、、


すべてに現れる”意図”、それをいかに形にするか、アリアナというアーティストのパワーと、マネジメントや関係スタッフの手腕を楽しく見させて頂きたいと思います。



youtu.be

 

★告知★

新しい音楽ビジネスを担う”ニューミドルマン”を育成する「ニューミドルマン養成講座」のMeetupイベントを開催します。
月一回集まり、ニューミドルマンコミュニティの交流を行います。
今回、岡崎体育で話題になった、新しい形のファンクラブについて、運営会社SKIYAKIの方をお招きし話を聞きます。

参加申し込みは以下より

newmiddleman-meetup-01.peatix.com
★ニューミドルマン養成講座2018年春期
ブロックチェーン×エンタテインメント入門」
今、知っておきたい「ブロックチェーン」音楽やエンタメへの影響は?

tcpl.jp

 

 

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

 

 

 

週末?音楽起業のススメ

ニューミドルマン養成講座2018年冬期「超実践マネジメント講座」が終わり(2月に)

 

気づいたら3月も終わり。。

 

講座に参加頂いた皆さんから、沢山刺激を頂き、思った事を書いておきたいと思います!

 

・まず、音楽好きな人が集まるのは楽しい。

・いろんな方がいい音楽を広める、売っていく事に興味がある。

・しかし、その方法を知らない。知る手段はほとんどない。

 

ということです。

 

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で、思いました。

 

今の時代、ミュージシャンも、スタッフも、デジタル技術の進化によって、
誰でも、音源を発信したり、宣伝したりすることが可能です。

 

なので、いろんな人がどんどん、音楽ビジネスに参入すればいいと思います。

 

気に入ったミュージシャンがいたら、YouTubeに動画をアップしたり、Tunecoreを使って全世界に配信したりできます。

 

敷居が高そうなイメージがありますが、

まずはやってみるといいと思います。

 

一度やってみると知りたくなりますし、勉強したくなります。

そうなった時、音楽業界が長年培ってきたノウハウや伝統も、

そうなってはじめて生きて来るとも言えます。

 

スポーツや習い事でもそうでしょう。

 

始めてみる、上手くなりたい、勝ちたい、知る、練習する。

 

音楽ビジネスも、同じようにしてみてはどうでしょう。


「趣味」と言っては聞こえは悪いかもしれませんが、

学生さんや会社勤めの方などが、オフの時間を使って音楽ビジネスを行う、、。

 

といった事はどうでしょう?

 

ライブの物販の手伝いやSNSの更新からはじめて、

クラウドファンディングを立ち上げ、レコーディングを企画する。

それを配信し、売っていく。。

 

その中で、学び、知識を得て、より高度なマネジメントやプロデュースを行っていく。

そういった音楽ビジネススキルが上がり、その人のマネジメントスキルや趣向に合ったアーティストとの出会いにより、何かが起こる。。

 

私は、そんな人たちが日本中に現れ、増え、知識やノウハウ、繋がりを求めて、

出会ったとしたら、知っていること全てを教えてあげたいと思います。

 

 

『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』が発売になり、
本を読んでくださった人々と出会うようになり、NMM講座でそんな方々とお話して思ったことです。

 

昨日、ラジオ番組の収録があり、

最後にこれからのミュージシャンに伝えたい事はありますか?と聞かれました。

 

思わず、「私の本を読んでください」と答えてしまいました(笑)

気の利かない不慣れなトークに落ち込んだのですが、

 

案外、本音かもしれません。

 

 

これを読んだ皆さんも「週末音楽起業」どうですか?

 

週末音楽ビジネスZ。。。みたいな。。

 

 

あ、告知させてください。

 

◆4月1日イベント開催いたします!

ニューミドルマンデイVol.3
「音楽未来予測」~テクノロジー革命が音楽ビジネスに与えるもの~

私も少しお話させて頂きますのでー

 

 

◆ニューミドルマン養成講座から電子書籍2タイトル配信開始!

「バリューギャップ」「ナイトエンタテインメント」など、今ホットな話題について、当事者からの貴重な話を収録。

「日本人のためのグローバル著作権ビジネス講座 今、世界で起きている著作権バトルと成功のための未来予測」
(山崎卓也、山口哲一)

「クラブカルチャーの未来と風営法改正 法改正から生まれた夜の価値」
(齋藤 貴弘、山口 哲一)

◆販売ストア◆
Kindleストア(Amazon):http://amzn.to/2FXiZsT
※他、iBooksGoogleプレイ ブックス、紀伊国屋WEBストア等、約50ストアにて配信

http://www.dreamnews.jp/press/0000170756/

音楽を売っていくには、日々、すごいスピードで変化する「仕組み」を知ることが大事。ぜひ一読ください!

 

 

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

 

 

 

 

 

ヒット研究と現場経験による地力、ブルーノ・マーズのグラミー賞受賞について

今年のグラミー賞は、ブルーノ・マーズが通案3枚目のアルバム『24K MAGIC』主要部門を独占しました。毎回アルバムがリリースされる度、ユニークなアイデアを取り入れたポップ・ソングが入っていて驚かされます。『24K MAGIC』もトーキング・モジュレーターを使ったオープニングから、のファンク、オールドスクール・ラップやニュージャックスイングに度肝を抜かれました。やり過ぎでは?と勝手に心配になりましたが、無事グラミーを独占し、さらに頂点を極めました。

ちなみに、この人はリリース作品ほぼすべてグラミー受賞しています。

 

なぜ、これほど、一瞬で心をとらえるヒット曲を連発できるのか、

この人は何者だろうと過去に興味を持って調べてみたことあるので、書いておきます。

 

私のブルーノ・マーズの印象は、”研究と現場経験に裏打ちされたポップ職人”です。

 

ハワイ出身、プエルトリコ系とフィリピン系の両親の間に生まれた彼は、「ハワイのエルビス」と呼ばれ、2002年高校を卒業後、成功を目指し、LAに移り住みます。

 

2004年MOTOWNと契約するも、リリースに至らず契約終了。ヤングなポップスターとしてのデビューは実現せず、ブルーノ・マーズとしてのデビューは2010年、LAに出てきてから8年後です。

 

では、デビューまで、彼は何をしていたのでしょう?

 

・作家、プロデューサー、スティーブ・リンジー(おそらく師匠なんでしょう)の会社と作家契約し、ヒット曲の研究

 

・カバーバンドでのライブ活動

 

このカバーバンドが重要です。

後の彼のバンドHooligans(デビューアルバムのタイトルにもなっている)、デビューのきっかけとなったプロデュース・チームThe Smeezingtonsへと繋がっていく。

 

MOTOWNでのデビューが実現せず、そこから5年間、ヒット曲を研究し、生バンドでカバーライブを繰り返すことで、ヒット職人Bruno Marzが完成していくわけです。

(ブルーノのカバー・パフォーマンスは、YOUTUBE上で沢山観ることが出来ます)

 

2009年から、バンドメンバー含むプロデュース・チームThe Smeezingtonsのヒット曲が生まれ始めます。

 

UKでヒットしたSugababesの「Get Sexy

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FIFA World Cup公式ソングとなったK'naanの「Wavin' Flag

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Flo Rida「Right Round」

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そして、これらのヒットにより、かなり注目を集めた、または絶対売れそうなヒット性の高い楽曲が評価されたのか、デビューが決定。

 

プロデュースとフィーチャリング・ヴォーカリストとしても参加した楽曲もリリースされヒット。MVにも大々的に登場してるところを見ると、すでに次世代ブレイクアーティスト的な地位を確立していたのでしょう。

 

アメリカで1位となったB.o.Bの「Nothin' on You」

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トラヴィー・マッコイの「Billionaire」

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この2つのヒット曲の大ヒットからの満を持してのデビュー曲「Just the way you are」の大ヒットへと至るわけです。

 

www.youtube.com

 

その後の活躍はご存知の通りです。

 

ものすごいビッグアーティストですが、どこか地味というか、印象が職人的ですよね?ジャンルとか関係なく、独自の道を歩んでいる。

 

昨年のグラミーのPrinceトリビュートのカバー・パフォーマンス

 

完コピ!

 

衣装やギターまで、Princeそのまま(笑)

やりすぎ!と思いました。

 

 

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どれだけスーパースターとなっても、下積み時代を共にしたメンバーと共に、音楽愛に溢れた、曲とパフォーマンスを生み続ける。

ポリスやデッド・オア・アライブといった80'sや、ニュージャック・スイング、ファンク、オールドスクール・ヒップホップ、レゲエ、、

とジャンル、人種を超えて、いろんな要素を盛り込んでいくスタイルは、リスクもあると思います。

 

プリンスのカバー・パフォーマンスにしても、自分をビッグに見せようという考えが見えないのは、よっぽど自信があるんだろうなと。

プリンスの凄さを理解しているという自信、生バンドとしてのライブ力の自信。

小細工の必要を感じてないんだろうなと。

 

こういった大胆な創作と表現には、長年の研究、バンドでのライブ経験があってこそだと思います。

研究と現場経験はウソつかない。

これからの活動も楽しみです。

エイベックスとの契約で何が始まるのかも楽しみですね。

prtimes.jp

 

 


最後にお気に入りの動画を貼っておきます。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

講座を行う理由とサム・スミスの事例

2月1日から、ニューミドルマン養成講座の2018年冬期「超実践アーティストマネジメント篇」がスタートします。http://tcpl.jp/newmiddleman/

2014年より開始し、今回で9期目となります。 

 

今回、私はコーチとして、受講する方にマネジメントの具体的な方法、アーティストを売っていく方法を指導させて頂きます。

というと大げさですね。

要は、幅広い方に、音楽マネジメントについて知ってもらいたいです。

 

昨年9月に発売しました、私の著書『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』は、このニューミドルマン養成講座と連動したNEW MIDDLE MAN BOOKSから発売されています。講座のオーガナイザーの山口哲一さんに監修してもらい、リットーミュージックより発売しました。

 

本を出し、このテーマで講座を行うのは、ノウハウや戦略、考え方を知ってもらい、有望な人材が、ガシガシと音楽ビジネスに関わってほしいからです。

 

音楽業界といえば、よくわからない業界用語で動く、閉じた村社会と思われてます。時代の変化に対応できていないという指摘もあります。事実だと思います。

 

しかし、長年にわたって、音楽愛に溢れた人々が、いいモノを作る為に試行錯誤し、身を削って打ち込み築き上げた創造力やノウハウの蓄積の中に、新しい時代にも通じる真実が沢山含まれていると思っています。

特殊業種である、音楽の仕事の仕方を理解してもらいたい、ネット以降の時代のミュージシャン、スタッフに、活かしてほしいです。

 

いや、このネット時代にこそ、必要とされる知識やノウハウなのかもしれません。

かって、ミュージシャンは、商売のことなど考えないでいいと言われていました。

スタッフは現場で体で覚えろ、と言われていました。

今のミュージシャンは知識を求めています。そして、知識を持ったミュージシャンほど、優秀なスタッフを求めます。

 

今の時代の音楽ビジネスに求められるのは、知識を持ち、考えるミュージシャンと、スキルを持ったスタッフとの強いタッグであり、チームです。

 

リットーミュージックのサイトに掲載されている山口さんのインタビューにも、イギリス人のグラミー受賞シンガー、サム・スミスの事例を紹介しました。

https://www.rittor-music.co.jp/pickup/detail/14168/

 

才能あるアーティストが、有効なスタッフ・ワークを得た時の威力を知ってもらえると思います。

 


Sam Smith - Writing's On The Wall (Live On The Graham Norton Show)

(↑好きな曲)

 

欧米のメディアには、音楽ビジネスに関する、 

なぜ売れたのか?なぜヒットしたのか?

についての、情報が沢山載っています。

 

なぜなら、音楽ビジネスでの成功に繋がる、情報や知識を求め、それを自分たちの成功に活かそうとする人が沢山いるからです。

音楽シーンの活性化のために、それを誰かに伝えようとする人がいるからです。

 

「いいモノは売れる」といった、単純なものではありません。 

 

モノが良くて当然、知識と戦略を学び、考え、実践することです。

そうする人が増える事で、より感動する作品やアーティストが、世に出ると思います。

 

興味のある方は、ぜひ、講座へご参加ください!お待ちしております。

 

 

 

★ニューミドルマン養成講座2018冬期「超実践アーティストマネジメント篇」

tcpl.jp

 

今回、ゲスト講師に

・中井秀範さん(音事協専務理事)

・荒川祐二さん(株式会社NexTone代表取締役COO)

に来て頂き、お話を伺えます。

マネジメントの真髄、そして、YOUTUBE著作権について等、

なかなか聞くことができない話になると思います。

 


★ニューミドルマン・コミュニティ

tcpl.jp

 

 

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!

 

 

新年のご挨拶と菅田将暉「一瞬の美」について

明けましておめでとうございます。
2018年を迎え、ブログをはじめました。

どうぞよろしくお願いします。

 

私達、普通の人が休んでるときに働くのが全然フツーではありますが、休み中に仕事の連絡することには多少の遠慮があります。

それ故に、人から連絡があまり来ない年始は、業務に追われず何かを始めるチャンスです。

あれこれ考え始めて、タイミングを逃す前に、始めます(笑)

 


昨年9月、書籍『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務 答えはマネジメント現場にある!』リットーミュージック)を発売いたしました。

約3年にわたり、制作として関わらせて頂いているニューミドルマン養成講座(東京コンテンツ・プロデューサーズ・ラボ)のオーガナイザーの山口哲一さんが監修して下さり、新しい音楽ビジネスを切り開く、という、講座の目的に沿った本を出版するNEW MIDDLE MAN BOOKSからの発売です。

 

先に出版された、山口さんの『新時代ミュージックビジネス最終講義 新しい地図を手に、音楽とテクノロジーの蜜月時代を生きる! 』という、音楽ビジネスが激変する時代を解説した名著があります。

さらに毎回、最先端の人と情報と出会えるNMM講座も開催されてます。

しかし、そもそも音楽ビジネスって何?、具体的に何をするのかという前提を知らないと大変だと思ったのが、書籍を書く動機となりました。

この『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』は、入門編というか、実践編という位置づけです。

これから音楽業界に就職したい人、異業種から参入したい人、

そして、タイトルにあるように、今の時代は音楽を創り出すミュージシャンにもビジネス・センスが求められています。

そんな本気で音楽で食っていきたい人にとって、知っておきたい実務の情報をまとめたものです。


読んだ人によっては、当たり前じゃないか、と言いたくなる内容も書かれていると思います。

しかし、ある人にとっての当たり前が、誰かにとっては当たり前じゃない時代。
軽く読み飛ばしながらで結構ですので、一読頂ければと思います。


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さて、このブログでは、

 

・この書籍の内容に沿った音楽ビジネスを知ってもらうための記事、

・ニューミドルマン養成講座や新しい音楽ビジネスについての記事

・実際に今、私が関わっているミュージシャンについての記事、

 

など書いていきたいと思っています。

どうぞお付き合いください。

 

 

 

せっかくのブログなので、年始に絡めたことも一つ書いておきますね。

 

昨年末、TVなのか何なのか、で、ある言葉を聞きました。

 

人気俳優の菅田将暉さんの2017年を振り返ったツイートからの言葉です。

引用しますね。

 

2017年仕事納め。年男らしいバタバタしたこの一年は忘れられない年になりました。色んな所へ行き色んな事をしました。沢山表に出ました。それでも僕は来年からも色んな人との出会いを胸に一瞬の美を追求していこうと思います。本当にお疲れ様でした。では、良いお年を。感謝。菅田将暉

菅田将暉 (@sudaofficial) 2017年12月30日

 

 

何気なく耳にしたこのコメントに、強く惹かれました。

 

それは、「一瞬の美を追求」という言葉です。

2017年、この「一瞬の美」こそ重要だと思う事が多くあったからです。

まさに、音楽の仕事とは、エンタテインメントの仕事とは、そんな問いに、この言葉が多くを言い表していると思います。

 

そのように思っていた私も、10月に受けたインタビューで語っていますので引用しますね。

 ↓インタビューのリンクはこちら

getnews.jp

 

”エンタメ業界は、スピーディーで一瞬一瞬が勝負というか、「今」というタイミングを逃すとマジックは失われる、といった感覚があります。”

 

”メジャーデビューすれば、テレビに出れば成功できるとか、そういう時代ではありません。と、同時にネットやSNSを使えば誰でも音楽を広められるといった簡単な話でもありません。メジャーデビューしようが、インディでネットで発信しようが、必要なのは知識と情報であり、瞬間瞬間をいかに輝かせるかという行為の積み重ねだと思います。本の各章にも書いたことなのですが、音源制作、ライブ、宣伝の各現場で、プランニングやスタッフ/関係者との打ち合わせ、メールやLINEの言葉の一つ一つ、写真のアングル、文字の書体、打ち上げでの飲みっぷり等々……曲やライブは良くて当たり前、宣伝して当然、その先で勝つには、日々スキルを磨き、瞬間ごとに全身全霊をかけ続けることなんだと思います。これは、アーティストもスタッフも同じです。”

 

この事を肝に銘じながら、一つ一つ精進していきたいものです。

 

今年も、一瞬の美を追求する機会を沢山頂けますように。

そして、一瞬の美を追求しようとする新しい仲間と沢山出会えますように。

 

本年もどうぞよろしくお願い致します。