Clubhouse/Twitter新機能、TikTok投げ銭など2020年代SNS動向と音楽ビジネスの未来

1月下旬に始まったClubhouseのブーム。それに対抗するTwitterのSpacesなど新機能。各プラットフォームの新しい動きが見え始め、SNSが次の段階に進んだ印象を与える2021年の始まりとなった。

 

2010年代後半、Twitter,Instagram/Facebook,YouTubeの3強(不可欠なツールとして「水道、ガス、電気」と呼んでいる。)の独占が揺るぎないと感じられたが、そこに風穴を開けたのはTikTokだろう。2019年Lil Nas Xの「Old Town Road」のヒットに代表されるTikTok発の音楽ヒットの連発は、止まっていたSNSの流れを大きく動かした。

そして、さらにClubhouseのブレイクも「Withコロナ」の追風を受けたSNS新時代を思わせます。

「音声SNS」「SNSの課金」と、その影響で繋がりとマネタイズが進み、音楽ビジネスがどう変化していくか考えたい。

3月19日に、以下のイベントも行いますので、この記事でも考えてみたいと思います!

musictechradar20210319.peatix.com

 

■Clubhouse の爆発的ブームと音声メディアの普及
Twitter の新機能(課金、ブロック、コミュニティとSpaces)
■インスタライブの複数可能化、課金
TikTok ライブの投げ銭(今後、月額?ライブコマース)

 

日本だけではわからないClubhouseブーム
数年前から有望分野と目されながらなかなか具体が見えてこなかった「音声メディア」。音声SNSのClubhouseが日本で突然流行したことで、この「音声メディア」に一気に注目が集まりました。アーリーアダプター中心の一時的な流行なのか、一般的な普及となるか、これからの動きに注目ですが、一つ思うのは、Clubhouse現象は日本だけでなく、世界各国に広まっており、一過性とは言えない地力を感じます。SNSサービスは全世界を対象に構築されており、日本単体だけで考えると見えてこないことは多いと感じる今日この頃です。

apps.apple.com

 

制限があるからこそ!なClubhouse主な特徴
・招待制
・実名推奨
・テーマを決めたroomでトークする。
・ストレスのない同時トーク
・メッセージやリアクションなど無し
アーカイブ無し
・ルームを立ち上げる(Moderator)
・挙手して発言する(Speaker)
・ラジオのように聞く(Listener)
iOSのみ使用可(2021年3月時点)

トークを通じて人と繋がるという点において、かなりの効果があり、TwitterInstagramと合わさって生まれるシナジーも特筆です。

また、TwitterによるClubhouseの対抗機能として注目の「Spaces」もベータ版で限定運用されており、Clubhouseのブームに留まらない「音声SNS」普及を告げる動きと言えます。Clubhouseと、強力な対抗ツールSpacesが切磋琢磨し、音声SNSが熱い盛り上がりを見せていくのではないでしょうか。

 

代表的なSNSTwitter」も変わる!

大手SNSであるTwitterはシンプルな機能を維持し、これまで目立った変化がそれほど見られませんでした。目立った変化は、ツイートの表示がタイムライン順ではなくなったり、フリート機能ぐらいしか思い当たりません。
そんなTwitterに新しい動きが見え始め、SNSが次の段階に進んだ印象を与える2021年の始まりとなった。

「音声SNS」「SNSの課金」と、その影響で繋がりとマネタイズが進み、音楽ビジネスがどう変化していくか考えたい。

 

twitter.com

 

ClubhouseのライバルTwitter Spaces

主な特徴、Clubhouseとの比較

Twitterのフォローフォロワー同士でトーク
・拍手のようなリアクション可能
トークしながらツイートを表示可能
Androidも使用可能

 

マネタイズ、コミュニケーション、、Twitter新機能

Spacesとは別に、Twitterは3つの新機能の導入を発表しており、こちらとSpacesが組み合わせて考えるとTwitterの今後が見えてきます。

注目の機能は、

・スーパーフォロー・・・月額課金で限定コンテンツなど
・セイフティ・・・不適切ツイートを自動ブロック、非表示にする設定
・コミュニティーズ・・・特定のトピックについて会話できる

 

「140文字でゆるく繋がる」シンプルなアプリといった印象だったTwitterが、奥行きを持ち、ビジネスや学習的な議論、交流など様々な用途に対応していくことになりそうだ。「スーパーフォロー」「スペーシズ」「コミュニティーズ」は、音楽アーティストにとっても注目の機能です。Twitterが、宣伝ツールからライトなファンクラブ的なマネタイズツールへと発展しそう。

 

Instagramも新機能!

ライブルーム機能によって、現在のインスタライブを最大4名まで行える。
Clubhouseが大人数での会話でストレスないコミュニケーションを実現し、Instagramの強みである視覚も加わったチャットにも注目です。

 

https://www.instagram.com/wakita.takashi/?hl=ja

 

2020年代をけん引するTikTok

以前から始まると言われていた、TikTokライブでの投げ銭機能がスタート。
TikTokは中国国内では、ショート動画以外に、ライブ配信投げ銭、月額会員、ライブコマースなど様々なサービスで実装され、大きなビジネスとなっている。
日本において定着を見せたライブ配信(ライバー系)をはじめ、中国での課金やマネタイズ状況を研究しているプラットフォームは多い。
世界のプラットフォームも中国SNSや配信プラットフォームの影響を受けているはず。

TikTokが中国外で新しい機能を実装する時は、すでに中国国内でのユーザーデータの蓄積、アルゴリズムインターフェイスの改善など出来た状態でスタートするという点でかなり強力だと思います。

 

■音楽への影響

SNSの新機能や新しい流れについて書いてきましたが、音楽ビジネスへの影響はどうでしょうか?

どのツールが良いか?という視点と合わせて、どう組み合わせるか?も大切でしょう?ClubhouseとTwitterの連携、TikTokからYouTubeフォローへ誘導する、、など。


Clubhouse ・・・ミュージシャンや関係者、リスナーの”出会い”
Twitter ・・・ファン・エンゲージメントの強化
Instagram ・・・インフルエンサーのマネタイズ強化
TikTok ・・・ライブコマース、ライブ配信
Spotify ・・・音楽とSNS の連携?

 

ClubhouseやSpacesのような音声SNSの機能は、オンラインでの音楽を通じたコミュニケーションをもっとカジュアルにするでしょう。また、課金ツールが増えることで、口コミの力も強まり、TikTok投げ銭やスーパーフォローのような課金が増えマネタイズの機会増、限定コンテンツやファンクラブ要素でファンの満足度も上がると思います。
広がりと深みを持った発展に期待したいと思います。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

私が運営に携わっているニューミドルマン・コミュニティで、以下のようなイベントを行います。 

musictechradar20210319.peatix.com

TikTokで「映画感想」で大きな影響力を持つ、しんのすけさんをゲストに、最新のSNS、UGMトークします!

この記事で書きましたSNSの新しい動きについても話していきたいと思います!

 

そして、コミュニティの紹介もさせてください!
ニューミドルマンコミュニティは、
音楽ビジネスを進化させる仲間の集うコミュニティです。

↓ニューミドルマン会員(月額1000円)になって頂くと、イベント参加が無料になります。またFacebookグループにて会員交流や最新情報の提供なども行います。

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 同じ志を持った仲間の参加をお待ちしております!

 

脇田敬

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著書『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』,