「実戦」で学ぶ音楽ビジネス~音楽デジマ講座とMusic Marketing Lab

音楽デジマ講座がなんと第3期をスタートすることになりました。
また、この講座から生まれた「MML(Music Marketing Lab)」の活動開始も発表されました。

この講座とLabの特徴は、音楽デジタルマーケティングを学ぶカリキュラムとして「実戦」を取り入れていることです。

講義で学んだ上で、実際にアーティストや事務所、レーベルと、楽曲リリースやSNSアカウント運用や動画発信などを一緒に行います。Labは講座修了生が、アーティストや事務所、レーベルの案件を受け、ノウハウやデータ、経験を蓄積し、メンバー間でシェアし「実戦」での学びを継続します。

第1期の講座を終えてから、試験的に活動を開始し、約半年の活動を経て正式に始動しました。

 

 

MMLでは、この半年ほど、再始動したRIP SLYMEや、音楽コラボアプリnanaとのプロジェクト、浅田祐介プロデュースで90年代J-POPの名シンガーが集まったLegato projectなど「デジマ実戦」させて頂いております。TikTokで大きなバズを生み、サブスクやYouTubeでの再生回数が10倍以上になったシンガーなど、今の時代らしい事例も得ています。

※興味あるアーティストさん、事務所、レーベル担当者さん、気軽にご連絡ください。

 

現代音楽ビジネスにおいてデジタルマーケティングは、全ての関係者が取り組むべきものです。かつての音楽ビジネスでの制作・宣伝・販促やライブ、FC、グッズなど「分業」で、特定の宣伝担当者だけが行う「プロモーション」とは次元が違う、全方位のビジネスマネジメントです。

しかし、実際行われている「デジタルマーケティング」というと、コンサル的なマーケティング知識や戦略を提供して、実際の運用はアーティストや現場スタッフが手を動かず形です。メジャーレコード会社のデジタルチームが行なっているのも、このイメージです。現場経験に乏しいデジタル担当が、A&Rやアー担経由でマネジメントに、一般的なネットトレンドの情報を投げる。しかし、「音楽」という人間が商材であり「心」を扱う仕事において、現場を知らず、数字や概念のマーケティングは説得力がありません。そんな現場で起こっている事に迫っていける力を持ったデジタル担当が必要ですが、人材不足は否めません。しかも旧来の業界企業では、分業が発達しておりデジタル部署のスタッフが現場経験を持つチャンスはなく、人材は成長しません。

一方、アーティスト本人やマネジメントといった現場の当事者たちも、これまでの音楽ビジネスになかったデジタルマーケティングへの対応が求められています。しかし、彼らは楽曲制作やライブなどで、ものづくり、感動づくりの「戦場」の真っ只中で、終わりのない産みの苦しみ(喜びでもある)の中にいます。よってデジタルマーケティングは後回しになることは、長年、音楽現場を経験してきた私にはよくわかります。

 


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デジタルマーケティングを身に付けた音楽ビジネスマンを育成する事、そして、アーティストや現場スタッフが、今の時代にアーティストビジネスを成功させるために、デジタルマーケティングが不可欠であること。これを強く理解してもらう必要があります。

講座、そしてLab。また私が取り組んでいるコミュニティや大学での講義など。
音楽ビジネスを理解するマーケターの育成と音楽マーケティングを理解する音楽ビジネスマンの育成に必要な「実戦」。

学んだ知識や情報を「実戦」で使い、アーティストやファンに貢献することで学び続けることが大事と考え取り組んでいます。

多くの人に興味を持ってもらえましたら嬉しいです。


★【受講生募集中】第3期音楽デジタルマーケティングブートキャンプ

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★説明会もやってます。

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以下、告知です。(以上も告知でしたが笑)

 

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毎月1000円で著名ゲストの話が聞けるイベントやこういった勉強会に参加できて、つながりが出来たり最新情報得られますので安すぎかと笑 興味ある方ぜひ。

 

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デジタルマーケティングで音楽ビジネスの世界潮流に!

音楽デジタルマーケティング講座の第3期開催決定しました!

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デジタルで急上昇する世界の音楽ビジネス、CD多売で横這いの日本

2022年も半分が終わりました。
昨年のデータによると、日本の音楽原盤ビジネスは横ばいまたは少し上昇と健闘していますが、全世界ではここ20年で最高レベルに音楽ビジネスは急上昇しております。

サブスクを軸にSNSUGCの波に乗り売り上げを上げ続ける世界の音楽ビジネスに日本が乗っていくためには、デジタルマーケティングスキルを持った人材の育成が急務と考えています。

wakita.hateblo.jp

 

講義と実戦の2つの柱で音楽デジマを学ぶ

この講座では、デジタル音楽ビジネスの基礎となる知識や考え方をマスターしてもらうための講義、そして、実際活動しているアーティストやスタッフとマーケ実戦して頂く2つの柱で学んで頂くカリキュラムとなっています。

第3期となる今期では、過去2期およびラボ活動で得たノウハウや知識、メソッドも講座内容に反映させていきます。より、有機的な講座体制になると思います。

 

講座終了後は、音楽デジマラボ(Music Marketing Lab)で仕事を受ける。

講座を受けて終わりではなく、実戦を続けていくことで、マーケティング経験、事例の蓄積を目指し、また、ラボメンバー内でのノウハウや経験の共有や、講師陣や業界関係のつながりから最新情報をアップデートしてもらう仕組みとなっております。

music-marketing-lab.com

 

2021年12月の第1期終了時、試用期間をスタートし、第一期修了生とともに、アーティスト案件を受け、実際にマーケティング活動を実施し、この度、正式のスタートとなりました。

ラボメンバーは、RIP SLYMEやSARMといったガチに活動するアーティストのデジタルマーケティングを担当し、ヒットを生み出すべく奮闘しております。また、音楽コラボアプリnanaとの共同プロジェクトも進めております。
ラボメンバーは本職を持っている副業の方が殆どです。今現在、こちらで稼げているというレベルにはなっておらず、実験的ではありますが学びとしては有意義な機会となっています。

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講座出身のマーケターと専門家との連携で音楽シーンを進化させる!

こういった講座受講、ラボでの実戦学習継続によって経験値を高め、専門家とラボメンバーのネットワークで実戦を続け、今年中に大きな実績を上げたいと考えております。

 

大好きな音楽の仕事をしてみたい!
新しい時代の音楽ビジネスマンとして腕を磨きたい!
コネクションを作りたい!

 

様々な方のご参加、ご検討をお待ちしております!

 

実際にどんな講座なのか、割引制度などもあります。
説明を聞いてみたいという方、こちらにご参加ください!

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こちらの関連講座も開催!
Billborad Japanのデータをもとにした有意義な講座となります!

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シティポップ・ブームは本当か?①~世界の中のJAPANをめざすクリエイターへ~

「シティポップ」が世界で流行っていると言われてます。

2021年に松原みきの「真夜中のドアstay with me」がSpotifyのグローバルバイラルチャートで長期にわたって1位になったり、今年1月に、今世界一売れているアーティスト、The Weekndが亜蘭知子の「Midnight Pretenders」をサンプリングした「Out of time」をリリースしたり、元ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズのニューアルバム『Harry’s House』のタイトルの由来が細野晴臣の『HOSONO HOUSE』だったり、世界のメジャーシーンに、1970₋80年代の日本のポップスが見かけます。

さて、なぜシティポップが世界の音楽シーンでバズったり、メジャーなアーティストが取り入れているのか。本当にそれはブームなのか。

ともかく世界を目指す日本のクリエイター、音楽関係者にとってのチャンスがあるのは間違いないので、ヒントにしてもらいたいと思い、図を作り、動画で話しました。さらにこのブログ記事でさらに理解のきっかけになれば幸いです。

 

 


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HIPHOPのメインストリーム化で基本となった切り貼りとループ

21世紀の音楽の大きな流れとしてヒップホップがあります。

過去の音源からかっこいいビートやブレイク、フレーズを切り貼りしてトラックを作る手法は、ヒップホップのメジャー化、デジタル音楽制作ツールの普及によって21世紀の音楽の土台になっています。

このような切り貼り(”カットアップ”?あまり現場で聴いたことがない言葉ですが、海外では使われている?)での音楽制作は、20世紀のポップシーンにはなかったものであり、ポップシーン、ダンスシーンに大きな影響を与えています。この手法は、ProtoolsなどDAWソフトの一般普及により、様々なジャンルに影響を与えています。というか普通になっています。デジタル音楽制作は、それまでのスタジオ作業をデジタルに移し替えただけでなく、新しい音楽スタイルを生み出しました。

ハウスやテクノ、エレクトロといったジャンルもコンピューター上で、いろんな音を切ったり貼ったりして編集するスタイルで制作されるようになり、これ以前以後の違いを表す必要が生まれます。”EDM”です。

私たちが何気なく使っている”EDM”というジャンル名も、この21世紀のダンスミュージックと、それ以前を区別するために使われていると思います。※”EDM”は他にもフェスやSNS活用など文化的な意味も入ってると思います。そこも含めて、デジタル時代以降のムーブメントを指しているのでしょう。

 

ミュージシャン、DJ→TikToker、”音ネタ”の一般化
YouTube、Sound Cloud、匿名掲示板→TikTokInstagramYouTube shortsのショート動画へ

このサンプリングから始まった、ジャンルやフレーズ、リズムパターンなどを編集して作る時代。どんなリズムや音色、フレーズといったネタ、パーツを取り入れるかが大事です。元ネタがあり、そこから楽曲を制作したり、自製のフレーズすらネタとなる。これが”ネタ”発想の時代。

イントロからAメロ、Bメロ、サビ、、、のような時間軸の流れで構成された曲作りではなく、ネタパーツを繰り返しループさせ、フレーズを切ったり貼ったりする作り方が前提になっています。

2010年代のYouTubeSoundCloud、匿名掲示板で、音楽制作を行う上での音ネタ、パーツの情報提供、収集するクリエイターやファンが集まってシーンとなり盛り上がっていき、世界中をつなぐネットワークとなりました。シティポップもその中で、ネタ、パーツとして評価が高まっていきました。

シティポップの中で人気が高い楽曲が、日本人に多く知られるニューミュージック系の名曲ではなく、ディスコ系が多いのはそんなところに理由があります。

 

TikTok登場、ショート動画革命で総クリエイター化時代の”ネタ”に

シティポップはアンダーグラウンドなネット音楽シーンの中で2010年代半ばあたりから、山下達郎角松敏生などの曲に注目が高まっている話はよく話題に上っていました。一般に広がり始めたきっかけは、2018年ぐらいからTikTokの登場による”ショート動画革命”の存在が大きいと思います。一般ユーザーが誰でもバズれる総クリエイター化したことで表に出てきたというのが”シティポップ・ブーム”の実態かと思います。

 

シティポップ・ブームは、「いつの時代もいいものはいい」から売れているみたいな意見を聞きます。打ち込み中心の個人がPCで作っている音楽が主流の時代に、スタジオで人間が演奏して作っている音楽の良さが再評価されているとか。それも間違ってないと思いますが、古今東西、この時代のいい音楽は沢山ありますので、それを理由にすると見えなくなる部分も大きいです。”音ネタ”として注目された先の再評価であることを踏まえないと理解しにくいんじゃないかと思います。


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シティポップとDaft Punk

シティポップがメジャー音楽シーンに登場した背景は色んな要因があると思います。いくつか取り上げたいですが、まず、Daft Punkの2013年のアルバム『Random Access Memories』について考えたいと思います。2013年に発売されて、グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞し、当時の音楽シーンに大変なインパクトを残したアルバムですこのDaft Punkは90年代終わりに登場し、クラブシーンとインターネット音楽シーンに多大な影響を与えたアーティストです。

エレクトロなダンスミュージック、のちにEDMと呼ばれるジャンルの代表的なアーティストですが、このアルバムでは、スタジオで腕のいいプレイヤーが演奏する音楽の説得力とデジタル音楽を融合して、切り貼り×ループ+生音の音楽制作の方向を決めたように思います。


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アンダーグラウンドなカルチャーの魅力をポップなヒットに持ち上げる。特に、70₋80年代のアメリカ西海岸音楽へのリスペクトを表したことは、大きなインパクトとなりました。シティポップと呼ばれる日本の作品が当時目指したのは、70₋80年代のアメリカ西海岸音楽、それからディスコを取り入れたAORといったジャンルです。この『Random Access Memories』は、これらの音楽の再評価の流れを作ったと言えます。

シティポップの火付け役と呼ばれる韓国人DJのNightTempoも今一番世界で売れているアーティストであり、亜蘭知子をサンプリングしたThe Weekndも、はっきりとDaft Punkからの影響を発言しています。

シティポップ・ブームも、Daft Punkのこのアルバムのヒットの影響は大きいと思います。

 

Daft Punkがメジャー化させたダンスミュージック×日本アニメ

もっとさかのぼって、2000年、クラブミュージックとアニメをくっつけたのがDaft punkの「One more time」松本零士さんと組んで、世界的な注目を集めました。この曲は非常に大きなヒットとなりましたし、日本のアニメ映像と音楽を合体させた動画の先駆けです。90年代に欧米で知られた『AKIRA』や『攻殻機動隊』のようなSFアニメ映画もありますし、日本のアニメの注目をメジャーシーンで表現したのはDaft Punkが最初だったのかなと思います。


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ダンスミュージック×日本アニメで有名な、2016年のポーターロビンソン&マデオン「Shelter」も貼っておきます。


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21世紀の音楽シーンに大きな影響を与えた「One more time」と『Random Access memories』は、全世界のネット音楽オタクにとっての神だったのかなと思います。

 

Daft Punkの正統後継者The Weeknd

『Random Access Memories』は、Daft Punkの最後の作品になってしまいましたが、Daft Punkはその後The Weekndと2曲のコラボを残しています。The Weekndは最初はDarknR&B、AlternativeR&Bといった名前のジャンルでしたが、2016年にDaft Punkと共演した「Starboy」と「I Feel it coming」の2曲をリリースします。The Weekndは、この2曲で、Daft punkの正統な後継者的なポジションを得てカリスマ性を持ったと思います。Daft Punkは、ダンスミュージックシーンやネット音楽シーンに大きな影響を与えていたリーダーですし、アンダーグラウンドのトレンドを広める、紹介する役割を担っていたと思います。

Daft Punk最後のレコーディング音源となった2曲、特に「I Feel it coming」は、シテイポップブームに繋がっている、『Random Access Memories』直系の曲だと思います。最新アルバム『Dawn FM』では、クインシー・ジョーンズが登場する曲と「Out of time」を並べ、コーチェラ2022のライブでは「Out of time」「I Feel it coming」は続けて歌われています。


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水原希子も出演。

 


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女優は日本人ではなく『イカゲーム』のセビョク


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ちなみにコーチェラ2022は、Swedish House MafiaというEDMのレジェンドとのコラボレーションステージだったのですが、Daft Punk系やダークR&Bの要素と、北欧EDM系のテイストが混ざり合わないように感じましたがどうなんでしょう?観た方のご意見聞きたいです。The WeekndがDaft Punk的な80sやレトロフューチャーの次に取り組むのは2010年代EDMなのかもしれません。

 


Daft Punkが音楽シーンに与えた影響についてよくまとまったimdkmさんのTOKION記事はこちら

tokion.jp

The Weekndの『Dawn FM』について話している動画

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ヴェイパー・ウェイブ、シンセウェイブ

Daft Punkに近い、シテイポップブームに繋がっていくジャンルを2つ紹介します。ヴェイパーウェイブという70-80年代音楽を素材にカットアップ、コラージュする手法や、80年代シンセ音楽をリバイバルさせるシンセウェイブ。SFや日本のアニメ、CMなどが動画素材に使われ、MAD動画のような形でネットに広まりました。こういったネットの流行りはアメリカやフランスを中心に欧米から全世界のネット民やネット系ミュージシャンに広まっています。シテイポップは、韓国人DJのNight TempoがFuture Funkとして火を付けたという話があります。ネットのコミュニティの中で、70₋80年代日本のポップスからを発見し投稿したりし、これらを「Future Funk」と名付けたようです。これらはアンダーグラウンドの音楽シーンで、日本だとボカロのシーンに近い匂いがあると思います。日本独自の、ボカロ音楽や匿名掲示板は世界でもユニークな存在として認知されています。ボカロシーンの中にも流行があるように、世界のネット音楽シーンでも、このFuture FunkやHyper Popなど流行のジャンルが誕生しているわけですね。それが、The Weekndのようなどメジャー級アーティストが面白がるレベルに届いたわけです。シティポップブームというよりか、マニア的な認知が長年進んでいて、それがTikTokきっかけで表に浮上してきたという印象です。

 

Vaporwave

YouTubeなどで再生されたシティポップには日本のアニメの画像などが使われるものが多いです。これは、ヴェイパーウェイブというジャンルから始まりました。80年代のキラキラしたヒットポップスにサンプリングの手法で細かい切り貼りし、バブリーな時代を批評的に客観視した音楽スタイルで、21世紀のインターネットミュージックの一つの流れを生み出しました。このvaporwaveの代表的なアーティストOneortrix point neverとコラボレーションしているのがThe Weekndです。大ヒットした「Blinding Lights」やシティポップの亜蘭知子をサンプリングした「out of time」も、この人と創っています。


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Synthwave

Vaporwaveから派生したのか、同時期に生まれたジャンルに、Synthwaveというジャンルがあります。80sのシンセサイザーサウンドや、アメリカ西海岸の70-80年代カルチャーを今のサウンドで再現し、当時のファッションやSF映画、日本のアニメなども引用され、アメリカやフランス、日本などで、youtubeSoundcloudなどで盛り上がりを見せました。The Weekndの『Dawn FM』は、まさにSynthwaveの世界観が強い作品です。この時代のSFが描いていた21世紀のディストピアレトロフューチャーなテイストは実際21世紀を迎えた私たちには、滑稽に見えたり、ノスタルジーを感じさせたりと新鮮な発見があります。


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個人的にSynthwaveは好きで、それ風の欧米J-POP、K-POPなど集めたSpotifyプレイリストです。最近追えてないですが楽しんでいただけましたら!



続く、、

長くなってしまったので、シティポップとの関係で注目したいもう一つの流れである”Lo-Fi HipHop”あと、世界における日本のアーティストというテーマで今最も注目な88risingとシティポップの関連についても次回書きたいと思います。

 

 

 

 

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プロデュースやマネジメントなど関わった音源のプレイリストです!

J-POP全盛期の名シンガーたちと取り組む「デジタル音楽ビジネス」(Legato project)

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「今だから歌える、今しか歌えない歌を」
J-POP史に燦然と輝くシンガーたちが新曲を配信するLegato Project。

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若いアーティストのサポートや育成が多い私ですが、今回は実績ある大人のアーティストさんとのプロジェクトに取り組みました。3つの現場「音源・ライブ・宣伝」を順に紹介していきます!

 

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Legato project

「今だから歌える、今しか歌えない歌を」 J-POP史に燦然と輝くシンガーたちが新曲を配信するLegato Project。2022年3月26日、全参加アーティストでの新曲収録のEPリリースを記念したショーを行います。

 

■リリース楽曲Spotifyプレイリスト(それぞれの代表曲も聴けます。)

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■Legato project紹介動画

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YouTube再生リスト
(楽曲・コメント動画、レコーディング動画など関連動画のコンプリート)

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EXILE TRIBEなどで知られる「Choo Choo Train」の楽曲提供や自身のヒット曲「Woman」など多くのヒット曲を持つ中西圭三さんや「Always」の光永亮太さん、元キマグレンのISEKIさん、我那覇美奈さん、NAOMI YOSHIMURAさん、そしてプロデューサー/シンガーソングライターの浅田祐介さん。

皆さん、J-POPの全盛期に輝かしい活躍をされ、今なお自身の音楽を追求する向上心を持ち続ける素晴らしいアーティストさんたち。

こんな方々と、今の音を作ってみたい!若いアーティストにそんな姿を伝えたい。

そう思い、浅田祐介さんが代表を務める音楽制作会社エニシングゴーズでスタートさせたプロジェクトです。

 

当時、音楽アーティストって一番かっこいい時代でした。(今はお笑い芸人やYouTuberの方がイケてる。。?)就職したい会社の上位にもレコード会社が入っていました。

そんな時代にデビューすることは凄い事でしたし、ヒット曲を出すのはさらに大変。でも、その後、高いモチベーションをキープして、自らの音楽表現を磨き続けることは、ストイックな努力が求められます。当時、日本で有数の才能だった人たちが、その後10年、20年精進し続けると、どんなことが起こるのか?ただでさえ才能ある選ばれしアーティストたち。当時より歌が上手くなり、熟成した味わいも加わったヴィンテージな歌声を感じてください!

 

そして、21世紀に入り音楽ビジネスは根本から仕組みが変わりました。
既存の音楽ビジネスの一番いい時代を知っているアーティストたちと、最新のデジタル音楽ビジネスを結び付けるとどんなことが起こるのか?

以下にやっていることをまとめていきます!

 

■オリジナル曲

★2021年7月第1弾配信 光永亮太「風の街」

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ソロ名義としては10年ぶりとなる新曲は、光永が生まれ育った故郷をテーマに作詞作曲。2003年のデビュー曲「Always」 (フジテレビ系「いつもふたりで」主題歌)は、オリコン 5位を記録。約40万枚を売り上げ、日本ゴールドディスク大賞「ニューアーティスト・オブ・ザ・イヤー」を獲得。
光永さんの爽やか声のな響きの奥に感じられるソウル・フレイヴァ―と日本的な情緒の魅力を感じてほしい。

●各配信サイトへのリンク  https://linkco.re/rNVXt9ye

 

 

★2021年9月第2弾配信 中西圭三「BABY」

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シンセウェイブ・サウンドに乗せた軽快なミステリアスなアップチューン。 「Woman」「You and I」など自身のヒット曲を始め、 作家として提供した「Choo Choo TRAIN」や「Timing」等ミリオン・セラーを記録。 海外のアーティストとの楽曲をリリースするなど、音楽界の第一線で幅広く活躍を続けてきた。

大好きなジャンル、シンセウェイブを圭三さんの歌で聴ける。圭三さんはファンク/ディスコのイメージがありますが、何を歌っても見事な圭三節で。どんなサウンドにも負けない歌。さすがです。

●各配信サイトへのリンク https://linkco.re/pUtRBRTd

 

 

★2021年10月第3弾配信 ISEKI「DOWN-TOWNを脱け出そう

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「LIFE」の大ヒットで知られる元キマグレンのISEKIが歌う、シティポップをオマージュした曲。 2008 年にメジャー・デビュー。2ndシングル「LIFE」が大ヒットし、その年の数々の新人賞を受賞、 紅白歌合戦に初出場。2012年には日本武道館公演を開催。解散後は精力的なソロ活動を行う。

Legatoメンバーの中では代表曲は記憶に新しいですね。以前観たISEKIさんの弾き語りは精進し続けて辿り着いた境地を感じさせました。他の方もそうなのですが、その凄さを伝える方法をデジタル時代に再構築しなければと思わされたライブでした。

●各配信サイトへのリンク  https://linkco.re/fcGv4vvb

 

 

★2021年12月第4弾配信 NAOMI YOSHIMURA「In Life

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ポジティブさに満ちたR&Bソング。
DREAMS COME TRUE初の全面プロデュースでデビューした実力派シンガー。
シェネルの大ヒット曲「Story」を提供するなど作家としても活躍している。
12月17日にLegato プロジェクトとして待望の新曲「In Life」をリリースした。
2000年ごろ以降、音楽シーンの主流がHIPHOP/R&Bに寄って行く時代。その時代に絶大な影響力を持ったドリカムに認められたNAOMIさん。今の時代こそ、ネイティブな英語R&Bのグルーヴに乗せて、女性の発信するポジティブな歌を届けたいです。

各配信サイトへのリンク
https://linkco.re/r2U18eCH

 

 

★2022年2月第5弾配信 我那覇美奈「君の眠る場所」

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我那覇美奈が自らの作詞とアコースティックギターで歌う大切な人を想う優しさ溢れるバラード。2000 年代を通じ、透明感あふれる歌声で様々なスタイルのポップソングをリリースした実力派シンガー。

奄美出身の我那覇さん、島出身の方の歌の情感はJ-POPで特別な位置にあります。アコギも追及されている我那覇さん、歌とアコギでまさに「今」感じる「優しさ」「愛」が伝わる曲になっています。

●各配信サイトへのリンク 

https://linkco.re/xnraQ02Y

 

 

★2022年3月(予定)第6弾配信 浅田祐介「老眼」

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「大切なものはそばにある」は数多くの名曲で歌われています。しかし、年を取ると、すぐそばにある大切なものほど見えない、と歌うJ-POP曲。1995年にフォーライフからデビュー。4枚のアルバムをリリース。サウンドプロデューサーとして、Charaキマグレン等々、数多くのアーティストでヒット曲を送り出した日本を代表するサウンドプロデューサーの一人。このプロジェクトのプロデューサーである浅田祐介さんの新曲。若い人には理解できないテーマ、ひねり、まさに21世紀によみがえった”J-POP”。プロデュースのお手本のようなサムシングをお楽しみ下さい。

 

 

★【制作進行中!】Legato project All Stars 全員参加曲

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Legatoプロジェクト全員参加の曲「Legato」制作進行中。 こちらはデモバージョンになります。 ヴォーカルは作詞作曲の浅田祐介による仮歌となります。
3月26日のライブで披露します。
光永亮太中西圭三、ISEKI、NAOMI YOSHIMURA、我那覇美奈浅田祐介、この6人でつなぐ「今しか歌えない歌」をお楽しみください。

 

■ライブ

全員揃ってのライブで全員リレー曲を歌ってもらう。そんな夢のような豪華な企画が実現しました。コンサート音響大手のHIBINOさん、ライブ配信のFAVERさんと一緒に、新しい形のライブに挑戦できました。素晴らしい”歌”を感じられる日になります!

 

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3/26(土) Legato Project All Stars ​Dinner Show!Vol.1

第1部 開場 13:00 開演 14:00~ 閉店 17:00

第2部 開場 18:00 開演 19:00~ 閉店 22:00

※入替制(1部、2部はセットを変えて行います)

料金 9,350円(税抜8,500円+税850円) お食事とお飲み物(一杯)が含まれます。

​1部2部通し券 18,700円(税抜17,000円+税1,700円)

各部、お食事※とお飲み物(一杯)、配信無料券が含まれます。(アーカイブ動画がご覧いただけます)

​ ※1部と2部でお食事の内容は変わります。

 

ライブ配信 各部 3850円(税抜3,500円+税350円)

 ※アーカイブ動画視聴期間 1週間

 ※配信のみの限定コンテンツあり https://faver.tv

www.kennedyhouse-ginza.com

 

■企業

・HIBINO

音楽関係者なら知らない人はいないHIBINOグループの会場であるケネディハウス銀座の最高の音響で聴く本物の歌。

www.hibino.co.jp

 

・FAVER

音楽ビジネスのイノベーションにおいて、今最も注目されるスタートアップ企業です。サブスクなど音源ビジネスのデジタル化だけでなく、ライブビジネスのデジタル化の実験、挑戦として、今回のLegatoライブで協業させて頂きました。

faver.tv

 

SNS/ネット

音楽マーケティングラボとの協力で、いろんなネット施策を行っています。
レコード会社中心の旧型音楽ビジネスではできなかったであろう事ばかりです。

 

Twitter Spacesでのレコーディング中継

レコーディング動画公開

全員曲「Legato」のレコーディングをSpacesで中継しました。(残念ながら最初に録った圭三さんは無いです。その時点でこのアイデアが出ていなかった。)
皆さん、歌が上手い。上手い。作業の進行の店舗の良さ。あっという間です。浅田祐介ディレクションにも注目。クリエイターの方にはとても参考になると思います。
しばらくの期間、録音が聴けますので、是非、聴いてみてください。初回のISEKさんの配信録画が期限切れで終了しました。他の録音もお早目に聴いてください!

浅田Pのトーク回しがスゴイ。圭三さん、NAOMIさんが参加!

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那覇さんの感性の自由さ!

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亮太さんの甘いソウル!

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渋滞で遅れたため、スタジオ入りから中継!

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自分で自分をディレクションする浅田さん

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ライブ当日も現場からSpacesやるかも。

 

YouTube

ネットの王様”YouTube”特に日本では、地上波テレビか?YouTubeか?というほどのシェアです。使わないわけにはいきません!

 

 

制作裏話系

中西圭三さん、NAOMI YOSHIMURAさん、浅田祐介さんでケネディハウスに下見に行き、試食をした際の動画です。ほぼ一発撮り。
トークと一緒にLegato楽曲を聴いて楽しんでいただきたいです!

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インタビュー/コメント/レコーディング動画系


貴重な制作過程や意図などが観れる貴重な動画たち。
歌に歴史あり。込められた想いの深さが伺えますよ。

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エフェクト・エディット一切なしレコーディング動画

 

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今回、SNSYouTubeなどデジタルマーケティングを音楽マーケティングラボ、その母体である音楽マーケティングブートキャンプの協力により行っております。

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では、最後に、3月26日のLegatoライブ是非、会場、配信どちらでも参加ください!!

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■最後に

レコード会社や事務所、オールドメディアによる「制作、宣伝、販売」が一体となったCD時代の音楽ビジネスの恩恵を知るレジェンドの皆さんですが、追求し続けた音楽スキルの切れ味、奥深さは、オンライン音楽ビジネスとの相性は抜群だと思いました!

レコーディングの公開など、プロセスを見せていく施策は、イマドキのSNS的ですが、とにかく歌がうまい。若いアーティストの方がこういう企画をやりますが、ベテランの方の方がむしろ合ってるんじゃないかと思いました。

そこで思い出したのはマイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』です。
リハーサル動画を繋いだだけの作品があれほどの感動に結びついたのは、長年追求し、磨き上げた音楽表現は、素の状態の即興性でこそ威力を発揮し、伝わりやすいのだと。

ライブ当日も、ライブ後も、音源やライブ配信アーカイブへの導線を張った企画を考えていきたいと思います。一連のプロジェクト活動にご注目ください!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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2021年年間データで読む日本の音楽ビジネス(BTS/YOASOBI/優里/Ado/Snow Man..)

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日本レコード協会から、最新のデジタル配信の数字が発表されました。
2021年の年間データとランキングから音楽シーンを分析します。
また、年間ランキングについては、それぞれ集計方法が違い、一長一短あるので、ビルボードオリコンサウンドスキャンに、TikTokSpotifyYouTubeなども加えて総合的に分析しました。

2020年に加速したデジタル化は、フィジカル売上をキープしたいメーカー事務所の事情も影響し、ややゆるやかに移行しつつある状況が読み取れました。

 

まずは、業界の数字から!

デジタル配信が前年より114%と伸び率を高めました。
CD&DVD等は前年ほぼ横ばい、少し上昇。

下がり続けるCDが、2020年コロナでガクンと落ち、21年下がらなかった、それどころか上昇したのは、コロナ不況を単価の高いCDで乗り切ろうとしたレコード会社の努力の表れでしょう

しかし、このフィジカル売上依存、世界的なデジタル化での売上急上昇の流れに比べてみると喜べない数字です。

フィジカルとデジタルの両立を目指している業界各社ですが「口で言うのと、実際やるのでは大違い」根本の仕組みが違うものを両立しようとし、混乱や失敗も起こり、成長の波に乗り損なっているのではないでしょうか。

世界各国で、2021年デジタル配信が前年比20%ぐらいの伸びを出している。まもなく最新の数字が出ると思いますが、過去最高になると言われています。

世界的なデジタルでの業績急上昇なので、そこに乗る機会をまとも逃している事実はしっかり向き合っていきたいなと思います。

 

 

さて、アーティストやタイトルの年間ランキングを見ていきましょう。

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デジタル&グローバル+CDマネタイズ 
BTS、YOASOBI

個々のアーティストについては、すでに多く語られているが、共通点として、デジタル発信を重ね、オンラインの熱を高めた上でアルバムでフィジカル売上を作る。
アーティスト側が主導権を持ったデジタル先行の活動を行い、ファンの求めるタイミングを捕らえたリリースタイミングでフィジカルをリリースし売上に結びつけることに成功している。

BTS「Film out」

back numberが提供した「Film out」は、エリアの人気アーティストとのコラボで広める手法「ローカライズ戦略」の日本事例としても注目された。


YOASOBI / Monster (「怪物」English Ver.)

海外志向のアーティスト性とは見られてないYOASOBIの英語ver.リリースは、グローバル時代への対応として注目された。Spotifyの「世界で聴かれた日本のアーティスト」1位を記録している。

各社年間ソング1位
シンガーソングライター×YouTuber 
優里

作品主義の強い日本の音楽業界。自ら作詞作曲するシンガーソングライターとYouTuber活動の両立は難しい。これを成し遂げたことが、優里「ドライフラワー」を各社の楽曲ランキングで年間1位へと導いたと考える。BTS、YOASOBIを抑えての楽曲1位という結果を支えたのは継続したYouTubeチャンネルの更新だと思う。

2022年1月にアルバム『壱』をリリース、ソニーは彼のデジタルでの勢いを上手くアルバムセールスに結びつけることはできたのだろうか。

優里ちゃんねる
【神回】本人同士による『魔法の絨毯』VS『ドライフラワー』カラオケ対決【YURIN】

各ランキングで年間1位となった「ドライフラワー」MVなど等オフィシャルMVはソニーのチャンネルからのアップ。こちらのチャンネルはYouTuber的なバラエティスタイルでの動画が多い。

 

もう一人のYouTube発シンガーソングライター 藤井風
Fujii Kaze "Free" Live 2021 at NISSAN stadium

2021年間ランキングには、登場していませんが、YouTubeから登場したアーティストである藤井風。第フィーチャーされた年末の紅白歌合戦でも、オンライン発新世代アーティストとして紹介された。2021年のアップロードはオフィシャルMVとライブ動画+いくつかに留まるので、YouTuber的とは言えないかもしれないが、音楽的な評価の高さとギャップを感じさせる”素”の表情が、ネット時代のアーティストイメージを印象付けた。また、日本と海外をフラットに考える姿勢は英語表記に表れている。
3月23日発売のセカンドアルバムをユニバーサルがどのようにセールスに結びつけるのか。


このような王道シンガーソングライター系アーティストのネットでの活躍も今後多く見られるだろう。加速するショート動画(TikTokYouTube shorts、Instagram Reels/Stories)との連動や、ライブやフィジカル売上への結び付け等音後のオンライントレンドと合わせて注目したい。

 

ボカロ発デジタル×グローバルへのポテンシャル Ado

 

Ado 1st Album『狂言』Teaser

社会現象化した「うっせぇわ」の後も、コンスタントに、歌ってみた動画のアップとオリジナル曲をリリース。バズの熱を逃さないマーケティングや細やかな動画クリエイティブの上手さが目立つ。世界中を見渡してもユニークな音楽文化を持つ「ボカロ系」の伝統をアップデートし、耳を引く声とIP戦略で「踊」「ギラギラ」も年間YouTube音楽ランキングで2、3位を記録。1/26に、アルバム『狂言』をリリースした。

 

デジタル時代の波に乗ってブレイクした御三家にとっての2021年
Official髭男dism、King Gnuあいみょん

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2020年のストリーミング・ランキングを見てみよう。日本でのサブスクが伸び始めた2018~19に登場タイミングが合い躍進し、デジタル型2019年ブレイク御三家である、Official髭男dism、King Gnuあいみょん
TV系タイアップとフィジカルを軸にした活動サイクルに移行し、旧来型音楽ビジネスのアーティストになりつつある傾向。
時代の波に乗った勢いを表すような、オンラインならでのコンテンツ発信の施策、例えばリミックスやコラボ、英語バージョンのリリースなど聴いてみたい。本来デジタル施策が強いはずなので。

Official髭男dism - Cry Baby[Official Video]Official髭男dism - Cry Baby[Official Video]

youtu.be

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既存業界を支えるアイドルビジネス(ジャニーズ、坂道、K-POP
Snow Man乃木坂46

日本ならではのCDを購入することでアイドルへの愛を表現するファン消費は健在。
コンサートが出来ない中、ファンの熱に多数リリースで応えた。
K-POPスタイルのオーディション系ダンス&ヴォーカル・グループのNiziU、BE FIRST、JO1、INIが2022年にデジタル+フィジカルに成功し、売上ランキングに登場するのか注目したい。

 

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「国民的」レベルなら成り立つCDモデル
宇多田ヒカル桑田佳祐Mr.Children宮本浩次、B'z、大瀧詠一松任谷由実中島みゆき福山雅治

各アルバムランキング上位のこれらのアーティストは、CDを購入する世代の購入によってセールスを実現している。

この中で、デジタル・ファーストも両立しているのが宇多田ヒカル
レジェンドやベテラン・アーティストがデジタルとフィジカル両面で成功させるキーワードとしては、大きな注目を集めた「シティポップ」だろうか。日本が誇る宝物であるこれらのアーティストたちが、世界での盛り上がりをキャッチして益々拡大してほしい。


宇多田ヒカル『One Last Kiss』

 

宮本浩次-異邦人


ロックバンド「エレファントカシマシ」のヴォーカリスト宮本浩次のソロアルバム『ROMANCE』。徳永英明以来の男性シンガーによる女性曲カバーで、新たに国民的アーティストの仲間入りを果たした。TVでの露出も多かったが、SNSYouTubeも積極的な発信が見られた。

 

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やはり重要。TikTok/Spotifyの拡散、リコメンド。
若年層で盛り上がるデジタル音楽シーン「ボカロ、R&B、ロック」
Awesome City Club、P丸様。、変態紳士クラブ、BLOOM VASE、Chinozo、MAISONdes、

これらのバズ、ブレイクをどうアーティスト人気に結び付けていくのか、ここにこそ、いわゆる大人の力、業界の知見やノウハウが求められていると思います。
バズの勢いがあるうちにデジタルヒットの連打、しっかり熱を上げ、数を重ねて、「曲ヒット」から「アーティストブレイク」へ、その先にフィジカルでのマネタイズに育てることに業界としてデジタルマーケティング強化に取り組みたいですね。もちろん私も頑張ります。

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【MV】シル・ヴ・プレジデント/P丸様。【大統領になったらね!】


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新旧音楽ビジネスの両立という課題。乗り切る鍵となる「海外」
SEKAI NO OWARI、back number、RAD WIMPS

サブスクやyouTubeなどアルゴリズムに乗ることが求められる時代に、気を付けなくてはならないのが、ファンが固定化すること。アーティストや曲、チャンネルの客層は、この年代、この地域、言語、この趣向といったように固定されてしまうと、伸びが鈍り、特定のファンが固まってしまう。

このファンの固定化が起こると、SNSを通じて過去の感動や成功事例にこだわった世論にアーティストやスタッフも左右される恐れがある。

「フィルターバブル」や「チェンバーエコー」などの専門用語でも指摘されるように、同じ趣向の人が集まることで熱は高まるものの、先鋭化していく恐れがあり、エンタメにとっては健全とは言えない。

SEKAI NO OWARIの海外活動(End of the world)、back numberのBTSへの楽曲提供、RAD WIMPSの世界的なアニメ効果、などは、それ単体で成功したかは賛否ある。しかし、ある種の風通しのよさが好影響をもたらしているのではないでしょうか。

特にback numberとBTSのコラボと「水平線」のバズがどう結びついたのかは機会があれば調べてみたい。

back number - 水平線


 

 

レコード会社2強「ソニー」と「ユニバーサル」の違い


■ユニバーサル・・・BTS、Ado、藤井風、宮本浩次SEKAI NO OWARI、back number、RAD WIMPS、、、

ソニー・・・YOASOBI、優里、乃木坂46宇多田ヒカル、Lisa、King Gnu、、

 

会社単位で考えると、ユニバーサル・ミュージックは、デジタル+フィジカルのバランスを見極め、がっつり数字を稼げるやAdo、今後の藤井風に力を集中させているように見えます。アーティストやマネジメントの主体的な活動から発生したうねりをセールスに結びつける姿勢。

一方、ソニーはデジタルに強いとは言い切れない。デジタル活用については、YOAOSBIは社内インディ的なスモールチームでの自由な施策を行えている、アニプレックス系も別会社、別業種であり、音楽レーベルとしての本筋は乃木坂46に代表されるフィジカル型組織が主流なのかもしれない。ソニーグループ全体がプラットフォームでの成功を志向しており、アーティストはプラットフォームにあてはまるコンテンツとして考えている印象を受けた。それは、かつてのオーディオをハード、音楽商品をソフトと考えた企業文化のアップデートを思わせる。

 

 

 

20→21長びくコロナ。デジタル・ファーストで攻めるか。CDやタイアップで守るか。
なぜ、業界スタイルとオンライン・スタイルは両立できないのか?

そのあたりの話については以下の過去記事をご覧ください。


・発売日ピーク→発売日はゴールではなくスタートに
・国内志向→海外志向ではなく、隔てない両方志向
・やっぱりデジタルファースト

wakita.hateblo.jp

「サブスクか?CDか?」ではなく、曲を知らしめるためにも、ファンにCDを買ってもらうのも、どちらにしてもデジタルを強化する事が正解であり、そこに向けて業界全体で、国内海外のリスナーに音楽を届けていきたいものです。


この記事では、触れられなかった、マカロニえんぴつ、Saucy Dogなどバンド系やVaundy、Yamaなど次世代POPS、大きなセールスを生み出すヒプノシスマイク、すとぷり、NiziU、BE FIRST、JO1やINIなどK-POP系オーディション組など、、も掘り下げたいところです。 

デジタルを活用した音楽ビジネススキルが求められる音楽シーン。私が運営に参加している音楽デジタルマーケター養成講座での人材育成。私が教授を務め、4月よりスタートする大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻でも、学生と一緒にこれらの音楽ビジネス研究は行っていきたいと思います。もちろん学生以外でも、一緒にこのようなリサーチや分析を一緒に行って下さる方いらっしゃいましたらご連絡お待ちしてます。

 

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【映画】スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』とラテン音楽への注目

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ミュージカル映画の名作『ウエスト・サイド・ストーリー』を
スティーブン・スピルバーグがリメイク。
しかもキャリアの集大成というキャッチをみて、
何故、彼が?今?と気になり、公開初日に観てきました。

 

こちらはYouTubeにアップした感想動画です。



予告映像



かなりの力作、豪華な大作として見ごたえ充分のので、
興味のある方は是非劇場でご覧ください!

 

さて、この映画について音楽ビジネス・トレンドとの関係で考えてみました。

・今の時代エンタメも差別偏見のない姿勢が求められる
・音楽トレンドにおいて、ラテン音楽に注目!
・そして、アジア系である私たちとして何を発信するか?

 


■映画の概要
1957年にブロードウェイ・ミュージカルとして誕生、
1961年映画版が大ヒットし、アカデミー賞11部門を受賞。
その後のエンタメに大きな影響を与えた名作。
スティーブン・スピルバーグがリメイクした話題作。

 

■音楽
レナード・バーンスタイン

クラッシック指揮者として、ヘルベルト・フォン・カラヤンと並ぶ20世紀を代表する人気指揮者なんですが、作曲家としての代表作が「ウエスト・サイド・ストーリー」。
クラッシック(古典)の巨匠の代表作がミュージカル、ここが面白いというか、わかりにくいところです。

クラッシック音楽とは、古典的なスタイルの音楽という意味のClassical Music
という意味です。
バーンスタインは、指揮者としてベートーヴェンとかマーラーとかの交響曲を多く指揮しています。
アメリカという国は歴史が浅く、文化の中心がヨーロッパでしたが、二度の大戦を経て文化の中心はヨーロッパからアメリカに移りました。バーンスタインは新たな世界の文化中心地ニューヨークから登場し、世界のクラッシック界で認められた初のアメリカ人トップ指揮者でした。

バーンスタインがクラッシック指揮者として、世界に名をとどろかせていましたが、彼が作曲した『ウエストサイドストーリー』は、クラッシック音楽なのか?

基本はミュージカル音楽だと思います。しかし、ミュージカル音楽として知られる作品に比べて芸術性が高いです。

ジャズやラテンとオーケストラ編曲のミックスしてますし、不協和音的なアレンジも、ミュージカルなのにシリアスな作品の空気を凄く出していると思います。


ジャズやポップス、ミュージカル音楽のスタイルが強い曲も多いです。ドラムセットも入ってます。ドラムセットはジャズ以降の楽器なので、クラシカルなというのには当てはまらないです。


クラッシック音楽のミックスなのか?クラッシック音楽の入ったミュージカル音楽なのか?この境界を巡っていろんな意見あるでしょう。

なので、バーンスタインの『ウエストサイドストーリー』は
巨匠の芸術作品なのか、サイドビジネスなのか、意見が分かれているんじゃないかなと思いました。

バーンスタインは、この後、クラッシック音楽の巨匠に、
作詞のスティーブン・ソンドハイムはミュージカル界の巨匠に
振付のジェローム・ロビンスはバレエの世界の巨匠に

アメリカ文化の担い手となり活躍するわけです。

『ウエスト・サイド・ストーリー』は、時代の変わり目、革新する時期に、実験的な気質と文化を持つブロードウェイで生まれ、のちに巨匠となる才能たちが、既存のタブーを打ちこわし作り上げた作品だったのでしょう。

その後、それぞれが成熟する時期があり、ジャンルの革新の後安定を迎え、彼らはその旗手となった。

各ジャンルの才能が集まったウエスドサイドストーリーですがこの人たちは再び集まるタイミングはなかったんですね。それぞれの分野の人になりました。


20世紀後半のエンタメビジネスや社会の仕組みも1960年代のように激動することはなく、時代が過ぎました。21世紀に入り、テクノロジーの進化は、世界を大きく変えました。2020年代再び、ジャンルのクロスオーバーが起こり、再構築、再編成されるタイミングだと言えます。スピルバーグとしても、この『ウエストサイドストーリー』を、音楽の、ミュージカルの、映画の古典として位置づけるタイミングは今、そしてそれが出来るのは自分だという、確信を持ったのかなと思いました。作品からも、彼の発言からも、テンションの高まり感じました。

 

ラテン音楽

この『ウエスト・サイド・ストーリー』の音楽面での注目ポイントとして、ラテン系音楽の存在があります。

多様性,SDGs、テクノロジー、新しい価値観を模索する時代。アメリカにおいて、白人、黒人に続く人種であるヒスパニック系の文化に注目が高まっています。

・ラテン各国の伝統音楽から、バッド・バニーやJ・バルヴィンなどラテンポップ、サルサなどプエルトリコ系音楽へ注目は、アメリカ音楽の重要なルーツとして再認識されています。

 


ミュージカル系の役者、作曲家、脚本家のリン=マニュエル・ミランダという人がいます。
最近、彼が作曲した『ミラベルと魔法だらけの家』というDisneyアニメからの
「ブルーノの秘密」Dont talk about brunoが全米NO.1になりました。

『イン・ザ・ハイツ』『ハミルトン』といった彼のミュージカルは、トニー賞の主要部門を多く受賞し、社会現象化しています。これら彼の作品は2020年、21年映像作品化され、Disney+やNetflixなどで観ることが出来ます。

「ブルーノの秘密」の大ヒットは、プエルトリコ系のクリエイターである彼が、ミュージカルの世界から、音楽の分野、ポップカルチャー全体のトップ・クリエイターとして地位を築いたと言えるでしょう。

また、アメリカ音楽ルーツとしてのプエルトリコ系への評価は、Netflixとかで見れるHIPHOPの歴史のドラマなんかでHIPHOP誕生のの歴史にプエルトリカン、ジャマイカンが登場したりすることでも浸透しているのではないでしょうか。



 

■多様性、ダイバーシティ
1950年代~1960年代は黒人の公民権運動が高まった時期でもあります。
BLMやダイバーシティの機運が高まっている現代と通じる時代背景があります。

『ウエスト・サイド・ストーリー』のミュージカルや最初の映画も、そんな時代を背景に作られた作品です。

今回のスピルバーグ版も

・プエルトリカン、ラテンアメリカン、ヒスパニック
女性差別、LGBTQ、セクシャルマイノリティ
についてのメッセージを多く含んでいます。

この点でラテン系に注目した時、もう一つ作品を紹介したいと思います。

『サマー・オブ・ソウル』というウッドストックと同じ時期にニューヨークのハーレムで行われたブラックミュージックのフェスの映画も昨年話題になりました。

ここには、モンゴ・サンタマリアやレイ・バレットといったキューバ系やプエルトリコ系のミュージシャンも取り上げられていますし、リン=マニュエル・ミランダもコメントしていました。



『ハミルトン』もそうですが、人種の多様性についての流れは、ブラック・ライブズ・マターで黒人差別に注目が集まりがちですが、ヒスパニックやアジア系も含んでいます。

 

■映像系サブスク・ストリーミング・サイト

『サマー・オブ・ソウル』私は劇場で見れず、ネットフリックスで見ました。
また、『ハミルトン』や『ミラベルと魔法だらけの家』はDisney+で見ています。

・ネットフリックス→Amazon Prime、Disney+
特にNetflixのオリジナル作品は、これまでのテレビや映画のタブーから自由な映画やドラマ、ドキュメンタリー作品が多いです。スポンサーなどのいろんなしがらみや忖度から自由なのでしょう。この流れが劇場公開映画にも影響与えているんじゃないでしょうか。

私は音楽関係者です。音楽アーティストで社会問題に意識的な人は多いと思いますが、音楽は、フィーリングを伝える力は凄いですが、歴史とかを伝える表現としては映像の方が強いですよね。

 

■まとめ
・差別偏見を超えたメッセージが求められている現代は、1960年代と近く、ステレオタイプの娯楽作ではなく、革新的な表現が多く生み出されている。

・音楽トレンドにおいてもラテン音楽に注目!ポップスやロックのルーツとして、西洋音楽、ブラック・ミュージックはよく語られますが、ラテン音楽の要素は大きく注目されていると言えます。

・そして、私たちの音楽やエンタメ作品もアジア系として、注目を集めています。日本人としての意識もそんなに大きくない中、アジア人としてどう受け取られるかも考えていく必要がありそうです。

 

あと、ミュージカルに詳しい、金井みちこさんともTwitter Spacesで
いろいろ聞いてみましたので、そちらもしばらくは録音が公開されていますので
こちらも、ぜひ。

twitter.com

 

 

 

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朝日新聞「音楽NFT」記事にコメント掲載されました。

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digital.asahi.com

 

朝日新聞2/3の記事、

”「1曲で5千万円」株のように楽曲を取引 音楽界で過熱するNFT”にコメント掲載されました。

↓絶妙の箇所で、有料記事となりますw
よろしければご覧ください。


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www.youtube.com

 

記事内容としては、坂本龍一さんの代表曲『戦場のメリークリスマス』テーマのNFT化、私と山口哲一さんコメント、山口さんが立ち上げた音楽NFT「.mura]の紹介や、メリットと懸念点といったところです。

dot-mura.com

 

記事的には「NFTの過熱を警戒」というニュアンスなのは残念でしたが、客観的な姿勢を持った丁寧な取材でしたし、このように音楽×テクノロジーをテーマとした記事が、メジャー媒体で取り上げられることは嬉しいです。

 

NFTをより楽しむ場としてのメタバース

NFTが盛り上がりだしたのは、昨年の前半。このタイミングでまた注目度が上がっているのは、「メタバース」の話題が大きいと思います。

GAFAの一角であるFacebookがメタに改名、というニュースは、ITトレンドの流れを変えました。NFTをはじめブロックチェーン×メタバースのかけ合わせ等、「WEB3.0」が現実味を帯びたイメージが共有されてきたことが大きいと思います。

私の朝日でのコメントも、メタバース空間とセットになることで、価値を持つNFTコンテンツを人に見せたり聴かせたり、飾ってにやけたりする「場」が出来ることで加速するだろうといった内容でした。

音楽NFTにフォーカスするとしたら、「.mura」が掲げるような、デジタルコピーによって下がってしまった「音源」の価値を取り戻すというのも非常に意味の深いものだと思います。

 

音楽×IT、音楽とお金

急激なインターネット革命、デジタル革命をモロに影響を受けた音楽業界。
それによって、音楽とお金の関係はこの20年にわたり、大きく変化しました。

ボブ・ディランブルース・スプリングスティーンのようなリーダー的な存在のアーティストが自分の楽曲の著作権原盤権を企業に売るというニュースに驚く人は多いと思います。

CDを中心としたビジネスモデルが崩壊し、大きく売り上げを下げ危機に陥った音楽ビジネスを救ったサブスクですが、分配についての問題が指摘されています。

 

NFT含め、音楽とお金をめぐる、これらの動きについて不安になる人は多いと思います。

 

私の考えとしては、デジタル音楽ビジネスは、20年の産みの苦しみの時期を経て、ここから大きな発展期に入る。問題はこれからも起こってくると思うが、行政-プラットフォーム-事業者-アーティスト-ファンがオープンな議論できる環境もある程度整っており、ネガティブになる必要はないと思います。

心配なのは、世界の流れを知らず古い慣習の延長の考えでリスクを避け、未来への挑戦をしないことです。

 

記事で取り上げられた坂本龍一さん、.muraでNFTを発売された小室哲哉さんなどは、リスクを承知で行動したのだと思います。指をくわえて待ってるより、アーティストとして未来を切り開く姿勢を発信した意味があると思います。その姿勢を理解したい。

小室さんのNFTについては私も少し協力させて頂き、実際、公開制作されたJ-WAVEイノフェスでの六本木ヒルズアリーナにて現場に立ち会いました。

野外ステージで客席とコミュニケートしながら作品が生まれていく、その瞬間をコピー不可でパッケージするという、NFTであるべき意味、コンセプトにこそ注目されるべき理解されるべきだと思います。

NFTで高い値段が付く、転売されることも表現の一部です。

21世紀に生きる私たちは、以前に比べて、お金に縛られなくなっています。

大きな家、高額な車や服、贅沢な暮らしより、アートや音楽から得た感動に対して、大金を払うことで社会にないかを発信したいと思う人がいてもおかしくないと私は思っています。

 

 

 

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