iPhone12登場、5G時代と音楽&テクノロジー、これまでとこれから
iPhone12の発売が発表された。
ジョブズ時代を想わされるデザインとコンパクトなボディ、iPhone10以降のフル画面の美味しいところが合体した「iPhone12 mini」に気持ちが引っ張られるが、本来の「12」の目玉は「5G」だろう。
2020年代、エンタメを劇的に変化させるだろうテクノロジーとして、下の記事にて「5G」「AI」「ブロックチェーン」を挙げた。
本来なら、5G対応のiPhone12は、大きなインパクトとなるはず。
日本においても東京五輪・パラの開催に合わせて、各キャリアを中心に準備が進んでいたところ、コロナショックにより進行が遅れたため、「5G化」は失速してしまったように見える。今回の新iPhone登場でも、話題の中心は「5G」よりも「mini」のように見える。
しかし、流れは変わらない。
今回日本で非対応となった「ミリ波」への対応や、基地局の設置など、徐々に環境が整い、対応機種の普及によって、徐々に「5G」効果が表れてくることは間違いないだろう。
2010年に登場した「4G」対応のiPhone4の普及こそが、10年代の「スマホ」「SNS」「サブスク」時代の環境整備をけん引したと思う。同じように、このiPhone12が2020年代を引っ張っていく流れの始まりに位置しているのではないだろうか。
世界での2010年代の音楽シーンは、SNSやYouTubeが牽引し、Spotifyの登場と普及、さらにApple Musicが対抗、しのぎを削ることで2000年代のCD→デジタルでの売上減少から2010年代後半V字回復していった。テイラー・スウィフトやエド・シーランやドレイクなど、彼らはSNSやYouTube、Spotifyなど、ネットツールを最大限に使い来なしトップに君臨し続けた。K-POPの躍進も同様だろう。
日本で起こったことは、この逆の動きだ。
ガラケーの「着うた」で売上を伸ばし、デジタルとフィジカル(CD等パッケージ商品のことをこう呼ぶ)が共存した2000年代後半から、まさにiPhone4登場の2010年ごろから、世界の流れから逆行しはじめる。特典会などCD多数購入施策、ドーム公演やフェスなどライブ中心のリアル志向、アナログ志向の道を突き進むことになる。これが悪いとは思わない。しかし、サブスク解禁を拒み、違法サイトを放置、デジタル化、グローバル化を怠った「鎖国&CD依存」は、世界の流れから周回遅れとなり、未来に大きな不安を残している。
5G時代は、高速通信や、拡大したリスニング傾向を予測したレコメンドなど、さらに新しいツールが登場するだろう。新しいテクノロジーを背景に生み出されるツールに古い考えで後ろ向きであり続ければ、例え、国内マーケットで当面の売上を立てたとしても、人口減少で、じりじり後退し、世界市場に存在しないガラパゴス状態に陥る。
この5G対応のiPhone12の登場、それにより生まれる新たなルールの登場、音楽ビジネスの現場に立ちながら、未来と結びつけて考えたいと思う。
私が運営に携わっているニューミドルマン・コミュニティでは、毎月、ゲストを招いた「MusicTech Radar」、オーガナイザーの山口哲一さんと私の関心テーマで行う「NMM MeetUp Extra」の2つのイベントを実施している。
音楽業界の中の人として、その問題、課題を語る
10月17日は、団野健さんをお迎えし、誰もが知る大プロデューサーやアーティストとの仕事や、まさに日本の音楽業界の中から見た問題や未来への課題について話して頂きます。
musictechradar202010.peatix.com
団野さんの経歴や、この回の意義について、こちらに書いてあるので興味のある方は是非、こちらも読んでください。
日本の音楽ビジネスの30年、エポックメイキングな出来事から未来が見えるはず - 音楽ビジネスBlog
10月30日は、何かと話題の「TikTok」をテーマに。
TikTokは、ネット音楽ツールとして、NapstarやYouTube、Spotifyといった21世紀の音楽シーンに大きなインパクトを与えたツールに並ぶ、2020年代を先取りしたツールだと思う。大きな問題を抱え、今後消滅する可能性もある。しかし「5G」「AI」「ブロックチェーン」の時代に活かされる先進的な仕組みを生み出している音楽ツールの最新型だ。女の子がクネクネ踊ってるイメージの人も多いと思う。是非、この回に参加して一緒に勉強しましょう。
お隣の韓国のアーティストが全世界規模で活躍する状況を見て、驚かない人はいない。何か日本人にとって劣っている部分があるとすれば、それは、グローバル市場やトレンドへの取り組み、デジタルテクノロジーへの消極さ、だろう。
ゲストのstarRoさんは、LAに住み、SoundCloudを活用しダンスミュージックやR&B、メインストリームポップの現場で注目を集め、ビッグアーティストと仕事をし、グラミーにノミネートされた、まさに2010年代の成功者。そして、現在日本に拠点を移し、音楽プロデューサー、アーティストとして、次の時代の新たな成功のあり方をクリエイトしようとしている。先を見据えた視野を共有し、考えを深めたいと思う。
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脇田敬
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著書『ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務』,